憲法上の位置付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/05 07:26 UTC 版)
「国家安全保障会議 (トルコ)」の記事における「憲法上の位置付け」の解説
国家安全保障会議は議長である大統領と、副大統領、参謀総長、法相、国防相、内相、外相、陸海空軍司令官、ジャンダルマ司令官で構成される。隔月で実施される会議には、議題に応じて関係閣僚や専門家が招集されるほか、議決権を有しない事務部門のトップとして国家安全保障会議事務局長(Milli Güvenlik Kurulu Genel Sekreteri)が出席する。 国家安全保障会議の設置を定めた1961年憲法第111条では、同会議は「政府に対して安全保障上の助言を与える機関」として規定され、文民の会議メンバーとして首相のほか、副首相、国防相、内相、外相、財務相、通信相、労働相が出席するものとされた。 しかし、1982年の改正憲法第118条の規定により、国家安全保障会議の役割は、「安全保障政策に関する見解を内閣に通知する」だけでなく、「会議が必要性を認めた安全保障政策に関する決定事項を、内閣は最優先に考慮する。」として強化され、同会議の決定事項が、文民政府の政策決定に優先することが明記された。また、軍令部門の長である参謀総長(Genelkurmay Başkanı)の権限が大幅に強化され、文民の会議メンバーは首相、国防相、内相、外相の4名に制限された。大統領ポストは、1960年から1989年まで軍人出身者が続いたことから、国家安全保障会議の主導権は軍部により握られることとなった。 こうした軍部の権限強化は、欧州諸国から批判を受け、2001年の憲法改正により、文民メンバーとして副首相、司法相の会議への出席が認められ、議案採決時の文民の優位が確保された。また、2004年8月には、これまで軍将校で占められてきた事務局長ポストにも文民出身者があてられるようになった。また、国家安全保障会議の決定事項を内閣が「最優先に考慮する(“öncelikle dikkate alınır”)」とする憲法の規定は、「尊重する(“değerlendirilir”)」と改められ、文民政府の権限が強化された。
※この「憲法上の位置付け」の解説は、「国家安全保障会議 (トルコ)」の解説の一部です。
「憲法上の位置付け」を含む「国家安全保障会議 (トルコ)」の記事については、「国家安全保障会議 (トルコ)」の概要を参照ください。
- 憲法上の位置付けのページへのリンク