憲法の政教分離原則との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 06:08 UTC 版)
「大嘗祭」の記事における「憲法の政教分離原則との関係」の解説
キリスト教・仏教関係者を始めとする国民の一部に、大嘗祭への国費支出や大嘗祭への都道府県知事の参列が日本国憲法の政教分離原則の観点から違憲であるという意見がある。この政教分離の観点から、いくつかの憲法訴訟が起こされているが、訴えは全て斥けられている。これらの原告敗訴は、国費支出が原告に不利益を与えないという判断や、知事が参列することが政教分離の目的効果基準に照らして政教分離に反しないという判断によるものである。 1977年(昭和52年)7月に最高裁大法廷で下された判決によると、「憲法の政教分離規定は国家が宗教とのかかわり合いをもつことを全く許さないとするものではなく、相当とされる限度を超えるものと認められる場合にこれを許さないとするものである。」とあり、政府はこれを理由の一つとして大嘗祭への国費支出を認めている。 ただし、1995年(平成7年)の大阪高裁判例では「平成の大嘗祭が既に終了しており、原告に不利益を与えない」との主旨で原告の訴えを斥けながらも、傍論において大嘗祭について「憲法違反の疑いは一概に否定できない」と指摘したこともある。 2018年12月10日、原告241名が天皇の退位等に関する皇室典範特例法の規定による明仁の退位と徳仁の即位に伴う「退位の礼」「即位の礼」「大嘗祭」などの実施が政教分離を定めた憲法の規定に違反するとして、国を相手取り国費支出の差し止めと損害賠償を求める訴えを東京地裁に提訴した。
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