恒星の光度変化が小さいこと
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/15 13:37 UTC 版)
「惑星の居住可能性」の記事における「恒星の光度変化が小さいこと」の解説
詳細は「変光星」を参照 光度の変化は全ての恒星に共通してみられるものであるが、その変動の激しさには広い範囲がある。ほとんどの恒星は比較的安定しているが、問題となる少数の変光星は、しばしば突然で猛烈な光度の増加を起こし、その結果その軌道の天体に向け膨大なエネルギーを放出する。これらが予測できないことと、エネルギー出力の変化が生命に悪い影響を与えるだろうことから、生命を宿す惑星を持つ候補として、この種の恒星は難しいと考えられる。もっと単純な話として、特定の範囲の温度にしか適合できない生物は、大きな温度変化を生き残れないだろう。さらに、光度の急上昇には一般的に、大量のガンマ線やX線といった放射線が付随し、これは致死レベルであるかもしれない。大気はその影響を軽減する(太陽の絶対光度が100%増加したとしても、地球の絶対温度も100%増加することにはならないだろう)が、変動により短波長の輻射エネルギーが惑星を打ち付け、絶え間なくその大気を引き剥がすであろうため、そもそも惑星が大気を保有すること自体が不可能かもしれない。 太陽は、この条件においては他の星と比べてはるかに穏やかである。太陽の明るさの最大と最小の間の変化幅は、11年の太陽周期でだいたい0.1%である。だが、太陽の光度の小さな変化でさえ地球の気候に重大な影響を与えるということが、過去の歴史からほぼ判明している(だがこの意見はまだ確定しているわけではない)。例えば中世の小氷期は、比較的長期間の太陽の光度の低下により引き起こされたという可能性が指摘されている。したがって、光度の違いが居住可能性に影響を及ぼすため、恒星の光度は変化しにくいことが望ましい。知られている"太陽の双子"のうち、最も太陽に似ている星は、さそり座外縁に位置するさそり座18番星だと考えられている。興味深いことに、太陽との唯一重要な違いは、さそり座18番星の太陽周期の幅は非常に大きいようだということである。
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