恐怖症
『めまい』(ヒッチコック) 刑事スコッティは犯人を追跡中にビルの屋根から落ちそうになり、彼を助けようとした仲間が、足をすべらせて転落死した。以来、スコッティは高所恐怖症になった。それを知った友人ギャヴィンは、妻マデリンを殺す時に、スコッティの高所恐怖症を利用した。マデリンそっくりの女ジュディが、スコッティの目の前で、高い塔に駆け上がる。スコッティは「マデリンが投身自殺する」と思って後を追うが、彼は階段の途中でめまいを起こす→〔投身自殺〕3。
★2.鉄道恐怖症。
『恐怖』(谷崎潤一郎) 京都に住んでいる「私」は、徴兵検査の手続きのために、電車で大阪まで行かねばならない。「私」は「鉄道病」という神経病で、汽車や電車に乗ると、身体中の血が脳天へ奔騰する。冷や汗が出て手足が震え、脳充血で死ぬのではないかと、非常な恐怖を感ずるのだ。「私」はウイスキーを呷(あお)ってぐずぐずしていたが、偶然友人K氏と出会ったので、何とか一緒に電車に乗り込むことができた。
★3.赤色恐怖症。
『マーニー』(ヒッチコック) マーニーの母は売春で生計を立てていた。マーニーが5歳の時、母と客の間でトラブルがあり、母は幼いマーニーに助けを求めた。マーニーは火掻き棒で客の頭を何度も打って殺し、死体からは多くの血が流れ出た。その時の記憶は意識下に抑圧されたが、以後、マーニーは赤い色を見ると、恐怖の発作を起こすようになった〔*青年社長マークがマーニーと結婚し、殺人の記憶を思い出させることによって、恐怖症から解放した〕→〔盗み〕3。
★4.閉所恐怖症。
『ボディ・ダブル』(デ・パルマ) B級映画専門の俳優ジェイクは、閉所恐怖症だった。ドラキュラの役をもらった時、彼は狭い棺の中での演技ができず、クビになってしまった。後にジェイクは、殺人鬼によって狭い墓穴に落とされ、上から土をかけられる。ジェイクは「これは現実ではなく、映画の撮影なのだ」と、自らに言い聞かせて恐怖症を克服し、穴から脱出することができた。
*針恐怖症の少女→〔針〕4の『ブラック・ジャック』(手塚治虫)「座頭医師」。
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