応仁の乱の研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 00:15 UTC 版)
詳細は「応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱」を参照 2016年10月に『応仁の乱 ― 戦国時代を生んだ大乱 ―』(中公新書)を出版。同書は一般書ながら最新の研究成果を踏まえて同時代の僧侶の視点から戦乱を描いたもので、斬新な構成や巧みな筆致と評価され、8か月で40万部を超えるベストセラーとなった。これによって日本国内で室町時代ブームが起こったと言われ、本書に刺激を受けたかのように峰岸純夫『享徳の乱』(講談社選書メチエ)、亀田俊和『観応の擾乱』(中公新書)などが出版された。 『応仁の乱 ― 戦国時代を生んだ大乱 ―』は、大和国の争乱を軸に応仁の乱を叙述していること、河内国の守護である畠山氏にも焦点を当てていること、大和国人達が興福寺の権威に頼って支配を勧めたことを保守的とする従来の見解を批判し、大和国を相対的な平和にした点を評価したことなどが特徴とされる。今谷明は家永遵嗣らの文正の政変に対する研究が活用されている点を指摘し、「読み応えがある」と評価した。 また、呉座は同書に「畠山義就の魅力は、軍事的才幹もさることながら、守護家に生まれた御曹司でありながら、権威を物ともせず、実力主義を貫く点にある」と記し、『応仁の乱 人物データファイル120』の特別解説では応仁の乱を「顔見知りの大名が権謀術数を巡らして駆け引きをするというもの」、「誰も状況を制御できなかったという「英雄不在」の戦乱」と表現した。
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