志村ふくみとは? わかりやすく解説

志村ふくみ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/04 17:34 UTC 版)

志村 ふくみ
志村ふくみ。日本の染織家、紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)、随筆家。
生誕 (1924-09-30) 1924年9月30日(100歳)
日本滋賀県近江八幡市
教育 文化学院卒業
著名な実績 染織紬織)、随筆
受賞 第10回大佛次郎賞(1983年)
日本エッセイスト・クラブ賞(1993年)
京都賞思想・芸術部門(2014年)
公式サイト しむらのいろ - 志村ふくみ、志村洋子公式ホームページ
選出 紫綬褒章(1986年)
人間国宝(1990年)
文化功労者(1993年)
文化勲章(2015年)
京都市名誉市民(2016年)
影響を受けた
芸術家
小野豊

志村 ふくみ(しむら ふくみ、1924年大正13年)9月30日 - )は、日本染織家紬織重要無形文化財保持者(人間国宝)、随筆家

草木染めの糸を使用した紬織の作品で知られる。

経歴

滋賀県近江八幡市生まれ[1]1942年(昭和17年)文化学院卒業[1]。文化学院の1学年上級には女優の高峰秀子がいた。

31歳のとき、若い頃に柳宗悦の民芸運動に共鳴し、織物を習っていた母・小野豊の影響で織物を始める[1][2]

1957年(昭和32年)の第4回日本伝統工芸展に初出品で入選し[1]、その後第5回で奨励賞[1]、第6回・第8回で文化財保護委員会委員長賞[1]、第7回で朝日新聞社賞と4度の受賞を重ね、特待者となった。随筆の名手としても知られ『一色一生』で第10回(1983年度)大佛次郎賞を受賞している[1]。1986年(昭和61年)紫綬褒章受章[1]1990年(平成2年)に農村の手仕事だった紬織を「芸術の域に高めた」と評価され、紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)の保持者に認定された[1][3]。1993年(平成5年)文化功労者[1]日本エッセイスト・クラブ賞受賞[1]。2015年(平成27年)文化勲章受章。

1968年から京都市右京区嵯峨野に工房を構えている[1]

2013年(平成25年)4月に京都市左京区岡崎に芸術体験を通して学ぶ場として、娘で同じく染織作家の志村洋子[4]とともにArs Shimura(アルスシムラ)を設立[1][2]。教本として『伝書しむらのいろ』を刊行した。同5月には、GALLERY FUKUMI SHIMURAをオープンした。2015年(平成27年)4月、Ars Shimura(アルスシムラ)2校目として、嵯峨校を開校した。

門下に2010年に紋紗(もんしゃ)の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された土屋順紀がいる[5]

受賞歴・栄誉等

染織家として
随筆家として

著書

  • 『志村ふくみ作品集 1958〜1981』紫紅社 1981
  • 『一色一生』求龍堂 1982、文春文庫 1987、講談社文芸文庫 1994
  • 『語りかける花』人文書院 1992、ちくま文庫 2007
  • 『織と文』求龍堂 1995
  • 『母なる色』求龍堂 1999
  • 『ちよう、はたり』筑摩書房 2003、ちくま文庫 2009
  • 『篝火 続・織と文』求龍堂 2004
  • 『小裂帖』筑摩書房 2007
    • 『私の小裂たち』ちくま文庫 2012
  • 『白夜に紡ぐ』人文書院 2009
  • 『美紗姫物語』求龍堂 2011
  • 『白のままでは生きられない―志村ふくみの言葉』求龍堂 2011
  • 『晩禱 リルケを読む』人文書院、2012 
  • 『薔薇のことぶれ リルケ書簡』人文書院、2012
  • 『伝書しむらのいろ』求龍堂 2013 
  • 『つむぎおり』求龍堂 2015、アルス(普及)版 2016
  • 『いのちを織る』東京美術 2019 志村ふくみ展図録
  • 『自選随筆集 野の果て』岩波書店 2023 解説志村昌司

共著

  • 『一茎有情 対談と往復書簡』宇佐見英治 用美社 1984、ちくま文庫 2001
  • 『色と糸と織と』写真井上隆雄岩波書店〈岩波グラフィックス〉 1986
    • 『色を奏でる』ちくま文庫 1998
  • 『母と子の織りの楽しみ』志村洋子 美術出版社 1993
  • 『心葉 平安の美を語る』白畑よし 人文書院 1997
  • 『たまゆらの道 正倉院からペルシャへ』志村洋子 世界文化社 2001
  • 『いのちを纏う 色・織・きものの思想』鶴見和子 藤原書店 2006、新版2021
  • 『しむらのいろ―志村ふくみ・志村洋子の染織』志村洋子 求龍堂 2009
  • 『雪月花の日々 京都暮らし 春夏秋冬』志村洋子、中田昭 淡交社 2010
  • 『遺言 対談と往復書簡』石牟礼道子 筑摩書房 2014
  • 『緋の舟 往復書簡』若松英輔 求龍堂 2016
  • 『夢もまた青し 志村の色と言葉』志村洋子、志村昌司 河出書房新社 2019
  • 『志村ふくみ 染めと織り』古沢由紀子聞き書き・評伝 求龍堂 2021
  • 『志村ふくみ 色なき色にすべての色がある 別冊太陽 日本のこころ』平凡社 2024。志村昌司監修、一〇〇歳記念出版
  • 『人間国宝・志村ふくみ100歳記念 秋霞から野の果てまで』志村洋子 世界文化社 2025

出演

ドキュメンタリー

脚注

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 志村 ふくみ”. 京都賞. 公益財団法人稲盛財団. 2022年9月25日閲覧。
  2. ^ a b アルスシムラ、しむらのいろ(公式サイト)、2013年12月20日閲覧。
  3. ^ 「時代の証言者 染めと織り 志村ふくみ」読売新聞(2013年2月27日)
  4. ^ 略歴、しむらのいろ(公式サイト)、2013年12月20日閲覧。
  5. ^ 「時代の証言者 染めと織り 志村ふくみ」読売新聞(2013年3月5日)
  6. ^ 平成27年度 文化勲章受章者” (PDF). 内閣府 (2015年11月3日). 2023年3月25日閲覧。
  7. ^ 『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』に吉田羊、広瀬すず、ベビメタら”. ORICON STYLE (2015年11月26日). 2015年11月27日閲覧。
  8. ^ 京都市名誉市民 志村ふくみ氏 - 京都市情報館
  9. ^ 井上靖記念文化財団の紹介
  10. ^ ふたりの道行き 「志村ふくみと石牟礼道子の“沖宮”」”. NHK (2019年1月19日). 2021年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月23日閲覧。

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