従業員に対する傷害事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 05:54 UTC 版)
「栃木・妻と知人殺害事件」の記事における「従業員に対する傷害事件」の解説
Nは逃亡生活を送る中、出張ヘルスマッサージ業を営み、神奈川県川崎市川崎区の建物をその拠点とした。ここでも、連続殺人を後悔も反省もすることなく、そればかりか、従業員に対してE殺害事件と同様の嗜虐性を露わにした。 Nは、1995年から1996年にかけて、従業員となった男性H(当時25歳)に対し、「絶対」と声を掛ければ、「服従」と言葉を返すよう強要して支配を強め、「爪ジュー」、「背ジュー」などと称して、手の爪や裸の背中に、たばこを吹かしながら火を押しつけたり、手や腕に、たばこのフィルターをほぐしたものを「癸」という漢字を模して乗せて火をつけ燃え尽きるまで置いたり、ライターの火で両乳首、両脇の下など外皮のうち敏感な部分までを焼いたり、浴槽の中に潜らせHが苦しくなって顔を出すと沸騰させた熱湯を頭からかけたりした。爪を煙草で焼かれると爪は軟らかくなり、体液が沸騰し音を出して噴き出した。 Nは、これらの暴行・虐待を平然と加え、時には「俺は熱いのが好きなんだ。」などと言いながら大笑いすらしていた。同じく従業員である男性IがHの治療をすると、Nは、余計なことをするなと言って、包帯をはぎ取ったりした。 また、Nは、Hに対し数ヶ月に渡り暴行・虐待を繰り返している途中の1995年12月30日ごろ、Hに命じて、I(当時29歳)の手の指の爪に煙草の火を押しつけさせ、背中等に火のついた煙草の先の部分を置かせた。 これらの暴行・虐待により、Hは全治不詳の熱傷の傷害を負い、起き上がることも寝返りもできない状況に追い込まれた。しかし、寒気がして震えが止まらないような状況のなか、Hは同僚によって救出された。ちなみにここでの「全治不詳」とは、NがHに対し一つの傷害が治癒する前に再び同一か所に暴行を加えて新しい傷害を負わせるという暴行を繰り返していたことなどにより、Hの個々の傷害の治療の期間の長短が不明であるという意味である。また、Iは、からくもNの事務所から逃走できたことにより、全治まで約5か月を要する左手中指・環指および背部熱傷等の傷害を負うにとどまった。
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