従業員の削減と経営者の横暴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:42 UTC 版)
「ホテルニュージャパン火災」の記事における「従業員の削減と経営者の横暴」の解説
1960年の開業当時のホテルニュージャパンには320人の従業員が在籍していた。しかし、同ホテルを買収して社長に就任した横井は、利益第一主義を掲げて安全対策費用も含めた経費削減を徹底させた。横井の独裁に耐えかねて離職者が続出したほか、横井も自分の意にそぐわない従業員を容赦なく解雇した。その一方で従業員の新規採用や欠員補充は一切行わなかったために火災発生当時の在籍従業員は134人にまで減少していた。火災発生当夜の当直従業員はわずか9人だった。そのため各従業員は、担当以外の業務を幾つも兼任しなければならず、一人あたりの仕事量が急増していた。こうした激務に対して従業員らは横井に対して上申や要望を出したが、ことごとく退けられた。自転車操業による給与の滞りも重なって従業員の士気は著しく低下し、防災訓練や館内防火設備の把握すらも、まともにできない状態になっていた。さらに横井は、日銭を増やすためにホテルの駐車場を有料化し、そこには受付業務担当の従業員は置かず、安全管理が本業の警備員に駐車場の受付もやらせた。さらには経費削減のため警備員の夜間定期巡回の廃止や人員の大幅削減にまで踏み切っていた。ホテル駐車場の料金収入は、館内防災設備の改善費用としては使われず、横井自身の懐に入るのみだった。
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