従業員の勤務中事故による雇主への逆求償訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 21:47 UTC 版)
「福山通運」の記事における「従業員の勤務中事故による雇主への逆求償訴訟」の解説
2010年当時ドライバーとして勤務していた従業員が大阪府で起こした死亡事故について、福山通運は遺族に賠償金を支払い和解するが、事故から数年後、被害者相続人の一人が事故後に自主退職した元従業員のみを相手取って損害賠償請求を提訴した。元従業員は訴訟の結果、原告に約1550万円の賠償金を支払い、その後福山通運に自らが支払った1550万円全額の負担を求めて提訴した(逆求償)。同社は争い、大阪地裁では同社75%、元従業員25%の負担割合が示された。同社が控訴し、大阪高裁では本来の損害賠償義務者は不法行為者であり逆求償は認められないとして、双方の請求を棄却した。元従業員が上告し、2020年2月最高裁は「従業員は会社に対し、損害の公平な分担という観点から相当と認められる額を請求できる」との初判断を示し、負担割合の審理を大阪高裁に差し戻した。また最高裁では補足意見で、同社が任意保険に加入せずに自己資金で賠償する制度を採用していたことは経営判断と認めつつ、結果として元従業員が任意保険による支援を受けられなかったと指摘し、運送事業者が任意保険に加入して十分な損害賠償能力を持つことは事故被害者のみならず従業員の負担軽減のためにも重要だとした。
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