弱視(ロービジョン)などの視覚障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 15:41 UTC 版)
「UDデジタル教科書体」の記事における「弱視(ロービジョン)などの視覚障害」の解説
ある程度の視力はあるが眼鏡などの補助器具を用いても視力が改善されない人(ロービジョン、弱視)や、視野が欠損している人、明るい場所や蛍光灯が当たる場所ではまぶしく文字が認識しづらい人など、視覚障害のある人は、文字が見えにくく読むことに不便を感じている場合が多い。特にロービジョンの人にとって、明朝体は横角が細く、判読性が下がる原因となる。楷書体を基にしている教科書体には、起筆部などの細い部分があり、これも判読性を下げる原因となる。 弱視の児童・生徒のため、通常の教科書の文字や図表を大きくする、見やすいフォントにするなどの変更をした拡大教科書が発行されている。文部科学省は、拡大教科書に用いるフォントについて、教科書体や明朝体では前述の理由により弱視の児童生徒の読書に適さない部分があるためゴシック体を標準とするとしているが、ゴシック体は、字形が教科書体と異なり、文字を書く学習において問題があることから、「今後これらの問題点を解消することのできる字体の開発が望まれ、開発が進んだ段階においては、これを拡大教科書に採用することについて検討する必要がある」としている。タブレットやパソコン上で紙の教科書の内容を表示するデジタル教科書の普及や、弱視などの児童・生徒が「UDブラウザ」で利用するPDF版拡大図書の開発が進んでいる。文字の拡大や白黒反転、読み上げなど、障害の程度や見え方に応じたカスタマイズができるため、活用が望まれている。 UDデジタル教科書体では、太さの強弱を抑え、余計な修飾を無くすことで視認性を高めている。字形を学習指導要領に合わせるため、一般的なUDフォントでみられるような、視認性を高めるために足を取り文字の要素を大きくすることは行われていない。一般的なUDフォントでは、判読性を高めるために「1」にカギをつけて「l」と誤読しないようにしているが、UDデジタル教科書体では学校教育で使われる字形に合わせて「1」を直線状にしている。
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