引退届提出と背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 17:03 UTC 版)
2019年10月11日、貴ノ富士は相撲協会に引退を届け出たと代理人弁護士が文書で発表した。 引退の理由を「協会の将来に失望しました。仮に、今回の処分の不当性が公に認められたとしても、今の協会内、相撲部屋内に私が戻るところはないでしょう」「協会とのやりとりに疲れ果てましたので引退を決意することを決意しました」などとしている。同日、日本相撲協会は貴ノ富士の引退届を受理したと発表し、貴ノ富士の現役引退が正式に決定した。郵送された引退届には、「再発防止策は表面的で不祥事が後を絶たないのでは」「協会の将来に失望した」などとする弁護士の意見書が同封されていたという。 この日、20代千賀ノ浦は協会を訪れ、部屋としての再発防止策を提出した。夜7時ごろには貴ノ富士から謝罪の電話を受けたという。 芝田山広報部長は「相撲協会は寛大。将来のことがあるから。協会は(ここまで)待った」としながらも「師匠とは最後まで接触しなかった。前代未聞」とコメントしている。協会としても同じ力士が2度も暴行問題を起こしたことは重く受け止め、10月に臨時理事会を開いて審議し、改めてコンプライアンス委員会に再発防止策に関する検討を委嘱するという。 部屋関係者を信用しない姿勢から周囲の協力を得られず孤立化し、仮に法廷闘争に持ち込んだとしても情状酌量に協力する者が十分に現れるかどうか疑わしい状況となっていた。このことからも貴ノ富士は協会に対する係争を断念して引退を決意したと見られる。 なお11月場所の番付編成会議は9月25日に行われていたため、同場所は幕下5枚目に名前が残った。通例では関取経験者の引退は番付や時期にかかわらず引退届受理と同時に発表されるが、貴ノ富士は引退届受理の報道後も協会から直接の正式発表がないまま休場扱いとなった。 同月16日に、貴ノ富士の断髪式は行われないことを20代千賀ノ浦が明らかにした。貴ノ富士が自分自身で行ったことを伝え聞いたという。 2020年初場所の番付編成会議が行われた11月27日に、相撲協会は貴ノ富士の引退を発表した。 その後日本相撲協会公式サイト上でも10月11日付での引退に訂正され、遡って11月場所の全休も取り消された。
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