建造物群の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/04 18:30 UTC 版)
「ブコビナ・ダルマチア府主教の邸宅」の記事における「建造物群の概要」の解説
府主教の邸宅はプルート川とその支流にはさまれた小高い丘の南東斜面に立地しており、その丘全体が世界遺産の緩衝地帯に指定されている。建造物群はおよそ幅70 m、奥行き 100 mの中庭の三方を囲むように建っており、残る一方に高い柵に収まった正門などが配置されている。こうした配置は聖地エルサレムをモデルにしたとも言われており、イタリアで15、16世紀にさかんに造営され、世界遺産にもなっているサクリ・モンティの19世紀版と位置づけられることもある。 中庭をはさんで正門と向き合う建造物群中で最大の建物が府主教の旧邸宅で、スチャバのイオアン (ルーマニア語: Sf. Mare Mucenic Ioan cel Nou de la Suceava) の礼拝堂を含んでいるが、現在はチェルニウツィー大学の近代語学部棟になっている。旧邸宅内には、美しい天井画を持つ府主教たちの会議室だった部屋があり、現在では「大理石の間」と呼ばれている。この「大理石の間」には、かつてはブコビナの画家によって描かれた歴代オーストリア皇帝の肖像画が掲げられていた。ほかの主要な部屋としては、かつて府主教の図書室だった「青の間」、小会議室だった「赤の間」、応接室だった「緑の間」などがある。世界遺産委員会の諮問機関である国際記念物遺跡会議(ICOMOS)は、「赤の間」について「傑出した美しい木製の宝石箱で、その壁画が中国産の赤い絹で飾り立てられているかのようである」と評した 建造物群の右翼、つまり門から見て中庭の左側に建つのが旧神学校とその付属聖堂である三成聖者の聖堂で、旧神学校は1870年の建設、付属聖堂は1878年の着工である。カール・ヨブスト (Karl Jobst) をはじめとするウィーンから来た芸術家たちや、地元ブコビナの芸術家たちによって描かれた壁画が残っている。 その建物と向き合って、門から見て右側に建つのが、旧修道院で、現在は大学の地理学科棟になっている。その建物の時計塔はダビデの星で飾られており、建造物群が建てられたときに、チェルニウツィーのユダヤ人コミュニティも完成に貢献したことを伝えている。 建造物群の全体は景観整備された広大な公園の中に立地しており、その公園には1937年に製作されたフラヴカの彫像も立っている。
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