小町田粲爾の同窓の書生たち
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「当世書生気質」の記事における「小町田粲爾の同窓の書生たち」の解説
作中では私塾の書生となっているが、実際は逍遥自身の出身校である東京大学をモデルとしている。 倉瀬 蓮作(くらせ れんさく) 新潟の出身。小町田の友人で、そそっかしく、なにかとよく食いよくしゃべる男。 モデルは逍遥自身に別の友人を足し合わせたもの。 任那 透一(にんな とういち) 小町田の親友。23-24歳くらい。飄々として磊落な性格で、自他ともに認める奇人。大食漢。 義伯父である三芳庄右衛門の援助で洋行することになる。末尾では、ドイツで哲学を研究していることが言及される。 モデルは、「天下之記者」の異名を持ったジャーナリストの山田一郎。 須河 悌三郎(すがわ ていざぶろう) 知勇いずれも欠けた無能者。桐山の友人。どこの方言ともつかぬ方言を話す。 自分の考えというものがなく、周囲に阿諛追従する性質。最後は桐山とも喧嘩別れしてしまう。 宮賀 匡(みやが ただし) 真面目な勉強家で世間知らず。継原とは同郷。 宮賀 透(みやが とおる) 宮賀匡の弟。兄とほとんど同じ性格。 桐山 勉六(きりやま べんろく) 須河の友人。23-24歳くらいだが後頭部が禿げている。勇壮かつ粗野で、豪傑を自認する。男色家で、男色小説『三五郎物語(しずのおだまき)』を愛読している。 守山を、紳士ぶっているという理由で嫌っている。 目が悪く、第10回では門限に遅刻したため板塀を乗り越えて戻ってきた須河を泥棒と間違えて殴りつける。 第11回で奮進党(モデルは自由党)に入党。末尾では奮進党の新聞に関係しており、国事犯の嫌疑を受けるのではないかと周囲から心配されていることが語られる。 モデルは三宅雪嶺だとする説があるが、逍遥は否定している。 山村(やまむら) 放蕩者。放蕩が過ぎて第11回で退校処分となり、新聞記者となる。第12回では『百科通覧(エンサイクロピヂア)』の翻訳の仕事に従事するが、よくわからないところを強引に意訳したり、原稿料稼ぎのため訳文を長くしようと「因テ以テ原因セシ所以ノ道理」などといった表現を多用したりして、継原を呆れさせる。 末尾では、ある地方の学校の教頭になったことが語られる。 継原 青造(つぎはら せいぞう) 山村の友人で同じく放蕩者だが、山村より若干まし。気の替わりやすい性格。山村と同じく、放蕩が過ぎて第11回で退校処分となる。 末尾では、放蕩が過ぎて困窮したところを守山友芳に助けられ、心を改めて復学したことが語られる。
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