小児性犯罪者との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 22:02 UTC 版)
「ペドフィリア」の記事における「小児性犯罪者との違い」の解説
「チャイルド・マレスター」も参照 ペドフィリア(小児性愛)という用語は子どもへの性犯罪を行う者に対して一般的によく使われる。しかし、子どもに対し性的な夢想を抱く人間を小児性愛者(ペドフィリア)といい、子どもに対して性的な虐待を行う犯罪者を小児性犯罪者(チャイルド・マレスター)といい、この2つは区別される。 子どもに性的虐待を行う者はペドフィリアの傾向があると思われがちだが、実際はそのような性的嗜好のない者が性的虐待を行うことも多くある。例えば、ストレス、夫婦問題、成人パートナーと接触不能、反社会的傾向、強い性欲、アルコールなどが原因になることもある。 とはいっても、ペドフィリアは小児性犯罪者を説明する重要な要因として科学的にも広く認知されている。ペドフィリアの人の児童への犯罪率は、ペドフィリアではない人の児童への犯罪率よりもはるかに高いことが示されている。 一般的にチャイルド・マレスターのうち25 - 50%の範囲の者がペドフィリアであると推定されている。2006年の調査によれば、チャイルド・マレスターのサンプルのうち35%がペドフィリアであった。児童性虐待研究者でアメリカアルフレッド大学コミュニケーション学助教授のパメラ・D・シュルツは『9人の児童性虐待者』の中で、実害を及ぼしている者(チャイルド・マレスター)の7割はペドフィリアの傾向がないという調査結果を記載している。 ただし、本来のペドフィリアにおいて問題視される性的虐待とは、必ずしも身体的虐待をともなうものだけでなく、子どもに性的欲求を押し付ける行為自体も含められる。 また、ペドフィリアに関する研究のほとんどが子どもに対する犯罪で有罪判決を受けた男性を対象としており、研究の限界を指摘する意見もある。児童の性的虐待自体がそもそもほとんど報告されないこと、さらに子どもに危害を加えていない小児性愛者の存在がほぼ可視化されていないこと、これらの理由でペドフィリアの既存研究には大きなデータの欠落があると問題視されている。
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