寄託の性質とは? わかりやすく解説

寄託の性質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/31 17:06 UTC 版)

寄託 (日本法)」の記事における「寄託の性質」の解説

片務契約 寄託契約原則として片務契約であり同時履行の抗弁権(533条)や危険負担434条以下)の適用はない。特約があれば受寄者保管料受け取ることができ、この場合双務契約かつ有償契約となる(後述有償寄託となる)。 無償契約 寄託契約原則として無償契約である(無償寄託という。665条・648条)。先述のように特約により受寄者保管料受け取場合には有償契約となる(有償寄託という。665条・648条)、現実には有償寄託がほとんどであるとされる。なお、委任契約同様に当事者の関係から有償寄託推定される場合少なくないとされる諾成契約2020年4月1日以降2017年改正民法物の交付を必要とする要物契約から合意のみで成立する諾成契約変更された(2017年5月26日民法一部改正する法律平成29年法律44号)が成立し同年6月2日公布された。同改正により、2020年4月1日以降寄託契約諾成契約とされる)。書面によることも必要ではない。 改正前の657条では要物契約とされていた(旧657条の「それを受け取ることによって」の文言)。目的物受け取り引渡しによるが、占有改定183条)については認められないとされていた。改正前の657条では要物契約とされていたが、これはローマ法以来沿革的な理由にすぎず、寄託予約や諾成的寄託を結ぶことも認められていた(通説)。また、要物契約無償寄託場合限られ有償寄託場合には諾成契約となるとする有力説もあった。 なお、2017年改正民法受寄者寄託物を受け取るまでの解除権規定新設した(民法657条の2)。寄託者は、受寄者寄託物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。この場合において、受寄者は、その契約の解除によって損害受けたときは、寄託者対し、その賠償請求することができる(民法657条の2第1項)。 無報酬受寄者は、寄託物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。ただし、書面による寄託については、この限りでない(民法657条の2第2項)。書面によらないことによる軽率な契約紛争防止のためである。 受寄者無報酬寄託受けた場合にあっては書面による寄託受寄者に限る。)は、寄託物を受け取るべき時期経過したにもかかわらず寄託者寄託物を引き渡さない場合において、相当の期間を定めてその引渡し催告をし、その期間内引渡しがないときは、契約の解除をすることができる(民法657条の2第3項)。保管場所確保している受寄者負担考慮した規定である。 2017年改正前に寄託予約や諾成的寄託締結された後、寄託者において引渡前に物の保管必要なくなり契約解除する場合には、損害賠償認められるとしても目的物引渡しまで命じることは妥当でないとされていた。

※この「寄託の性質」の解説は、「寄託 (日本法)」の解説の一部です。
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