宗教と政治の関係について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 16:32 UTC 版)
「デズモンド・ムピロ・ツツ」の記事における「宗教と政治の関係について」の解説
彼は不公正な法律に反対することはキリスト教徒の義務であると信じていた。彼は自身のような宗教指導者たちは政党の外側にとどまるべきであると感じており、ジンバブエのアベル・ムゾレワ(英語版)、キプロスのマカリオス3世、そしてイランのルーホッラー・ホメイニーを例として挙げ、このような政治と宗教の交叉が問題となっていることを例示している。彼は特定の政党と連合することを避けようと試みた。例えば1980年代にはアメリカの反アパルトヘイト活動家たちにANCとパンアフリカニスト会議(英語版)の両方を支援するよう促す嘆願書に署名した。1980年代の後半に、政治的役職を得るべきだとする提案があった時、彼はその考えを拒否した。 ツツは自身を社会主義者であると説明し、1986年にはこれに関連して「私のこれまでの経験が示唆するところでは、資本主義は人間の最悪の特徴のいくつかを駆り立てるようだ。食うか食われるか。資本主義は適者生存によって規定されている。私には受け入れがたい。それは資本主義の醜い一面に過ぎないかもしれないが、しかし私は他の面を見たことがない。」と述べている。また彼は1980年代に「アパルトヘイトは自由企業制の評価を損なった」と発言したと伝えられた。ツツはしばしば、「アフリカ共産主義(African communism)」は矛盾である、何故なら(彼の見解では)アフリカ人は本質的に宗教的(spiritual)であり、マルキシズムの無神論と相いれないからだ、というアフォリズムを用いた。彼はソヴィエト連邦と東側諸国のマルキスト政権を非難し、彼らの人々への取り扱い方を南アフリカの国民党のそれと対比した。1985年に彼は共産主義を「全身全霊をもって(with every fiber of my being)」嫌悪していると述べたが、南アフリカの黒人がそれを同盟者にした理由を「あなたが地下牢にいる時、解放の手が差し伸べられたならば、あなたがその手の持ち主の出自を問うことはない」として説明しようとした。
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