安全性・副作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 15:21 UTC 版)
以上のように、健康に有益な作用の期待されるクルクミンであるが、クルクミンを主たる成分とする「うこん(春ウコン、秋ウコン、クスリウコンなど)」は、生薬や漢方薬の素材、食品、民間的な傷薬、および天然顔料として、主にインド、東南アジア、中国、琉球諸島などの諸地域で、古来より長く利用されている。その経験から鑑みるに、食品および天然色素としてのクルクミンの使用については恐らく安全であると考えられている。 また、うこん茶等による肝障害例も報告されているが、秋ウコンの根茎は、クルクミン原体の他にもミネラル分(鉄分)が豊富に含まれているものがある。例えばC型慢性肝炎患者は、鉄過剰を起こしやすいことから鉄制限食療法が実施されるが、そのような場合には、うこん含有の鉄分が肝臓に過剰な影響を及ばすことがあり、注意が必要といわれている(なお精製されたクルクミン原体の場合には、含有ミネラルの問題は起こらない)。 また、ワーファリン(ワルファリン)等を服用している場合、クルクミンにも血小板凝集抑制作用が知られているので、薬理効果が増強される可能性があり、他のビタミンK含有食品と同様に食べ合わせや摂取量に留意する必要が生ずる。なお、医薬品的効能効果を目指す場合の検証も、報告例が見受けられる。 安全性について、がん患者における第1相臨床試験の結果では、クルクミン8,000 mg/日、3ヶ月間の経口投与は安全であったとの報告がある。 また、クルクミンは、第61回JECFA(2003年6月)において添加物としての再評価がなされ、NOELは250-320mg/kg bw、ADIは0-3 mg/kgbwとされた 潜在的なリスクおよび副次的効果の側面も報告されている。例えば、抗癌効果とは全く逆の、発癌性を有するとの報告もなされている。腫瘍抑制に働くp53経路に干渉する可能性があるが、マウスやラットを用いた動物試験では、クルクミン摂取と腫瘍発生の関連性は証明されなかった。クルクミンの投与により皮膚炎になった、不整脈が発生という報告もある。また乾癬患者12名に投与したところ3名の症状が悪化したとされる。
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