宇宙船/月着陸船アダプター (SLA)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/27 02:04 UTC 版)
「アポロ宇宙船」の記事における「宇宙船/月着陸船アダプター (SLA)」の解説
宇宙船/月着陸船アダプターは、サターンIVBロケットでサービスモジュールを支えるための、ロックウェル・インターナショナルが製造した円錐形のアルミニウム製の構造物である。これは、打上げと大気圏からの上昇時に、月着陸船のエンジンノズルと打上げ機をサービスモジュールのケーブルから守る役割を果たす。 SLAは、S-IVBの頂上の機器ユニットに固定された高さ2.1mの4つのパネルから構成され、これらは蝶番を通して、花びらのように開いた高さ6.4mの4つのパネルに繋がっている。 SLAは、厚さ43mmのアルミニウムのハニカム構造の素材で作られている。SLAの外装は、0.76から5.1mmのコルクの薄層で覆われ、打上げと上昇の時の熱ストレスを緩和するために、白色に塗装されている。サービスモジュールは、長い方のパネルの上部にフランジで留められ、ケーブルから給電される。 宇宙に出ると、宇宙飛行士はコントロールパネルの'CSM/LV Sep'のボタンを押し、コマンドモジュールとサービスモジュールを打上げ機から切り離す。すると、サービスモジュールとSLAの間のフランジの導火線に着火され、4つのSLAパネルのジョイントに沿ってサービスモジュールを離し、パネルとの間の接続部を吹き飛ばす。その後、SLAパネルの下端の2重のスラスタが点火し、蝶番の周りを1秒間に30°から60°の速さで回転させる。 Transposition of CSM, docking and extraction of LM for a lunar mission Adapter panels are jettisoned and the CSM is turned 180 degrees The CSM docks with the LM and pulls it away from the Saturn V third stage アポロ7号までの全ての飛行では、SLAパネルはS-IVBに結合したままで、当初の設計よりも45°開いていた。しかし、S-IVB/SLAとダミーのターゲットとのランデブーの訓練を行っていたアポロ7号の乗組員がドッキングや月着陸船の放出の際の宇宙船とSLAパネルの衝突の可能性に気づき、ばね付の蝶番が、時速約5マイルの速さでS-IVBからシステムを押し出すように設計が変更された。 月着陸船は、下部パネルの4か所でSLAと接続されており、宇宙飛行士がCSMからLMに移るとその接続を切り離し、LMと機器ユニットの間のケーブルも切断される。
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