天の極と黄道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 04:02 UTC 版)
火星の自転軸の方向は、その天の北極である はくちょう座付近の 赤経 21h 10m 42s、赤緯+52° 53.0′(より正確には、317.67669 + 52.88378)である、近くには6等星のBD + 52 2880(HR 8106、HD 201834、またはSAO 33185でも知られる)がある、その座標は赤経 21h 10m 15.6s、赤緯+53° 33′ 48″である。 はくちょう座の上方の2つの星、はくちょう座ガンマ星とデネブを結んだ線は火星の天の北極を指している。天の北極はデネブとケフェウス座アルファ星の中間点で、デネブから10°以内であり、はくちょう座ガンマ星とデネブの見かけ上の距離より少し長い。天の北極との距離が近いため、デネブは火星の北半球のほぼ全域に入ることはない。赤道近くの地域を除いて、デネブは恒久的に北極を一周する。 はくちょう座ガンマ星とデネブを結んだ方位線は恒星時を計時するのに役立つだろう。 火星の天の北極は銀河面から、わずか数度離れている。このため、特に はくちょう座付近の天の川は、常に北半球から見える。 天の南極は、座標 9h 10m 42s、−52° 53.0′ に対応する。この点は、2.5等星の ほ座カッパ星 ( 9h 22m 06.85s、−55° 00.6′ )から数度しか離れていない、したがって、それは南極の星と見なすことができる。全天で2番目に明るい星のカノープスは、南半球のほとんどの緯度での周極星である。 火星の黄道十二宮星座は地球とほとんど同じである、結局のところ、2つの黄道面は1.85°の相互傾斜を持っているだけである、しかし、火星では、太陽はくじら座で6日間費やし、離れていき、再びうお座に入る、このように黄道帯で合計14の星座を作る。春分と夏至・冬至の星座は、地球と異なっている。すなわち火星の北半球では、春分はへびつかい座 (地球ではうお座)、夏至はみずがめ座とうお座の境界、秋分はおうし座、そして冬至はおとめ座である。 地球上と同様に、 歳差運動によって、何千年も何万年にもわたり、至点と分点が、黄道帯の星座を循環することになる。
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