大阪青山学園本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 02:18 UTC 版)
兵庫県川西市の大阪青山歴史文学博物館が所有。この本は、鎌倉時代前期の写本で、藤原定家の手沢本である。体裁は綴葉装、白地立菱つなぎ刷模様の斐紙を表紙とし、その中央には定家様にて「成尋阿闍梨母集」の外題墨書がある。本文の料紙は斐楮交漉紙で、一部に墨流紙を用いている。本文は半葉10~14行、歌は一首2行書で本文より1字下げに書かれ、所収歌数は175首である。文中にはまま訂正加筆があり、その一部および二箇所にある集付はその筆跡から藤原定家の筆と認められ、本帖が定家の所持本であったことを明らかにしている。 『成尋阿闍梨母集』の写本は、他には本帖を江戸時代前期に書写した一本が知られるのみで、本帖は古写唯一本であり、国文学研究上に貴重である。 1985年6月6日、国の重要文化財に指定された。 ただし、1979年に刊行された講談社学術文庫の解説によれば、本作は藤原定家手沢の冷泉家蔵本と、その転写本とみられる宮内庁書陵部蔵本との二つが知られているとあり、この「大阪青山歴史文学博物館」の所蔵する本がどういう経路で現在の所蔵者の手に渡ったのかははっきりしない。
※この「大阪青山学園本」の解説は、「成尋阿闍梨母集」の解説の一部です。
「大阪青山学園本」を含む「成尋阿闍梨母集」の記事については、「成尋阿闍梨母集」の概要を参照ください。
- 大阪青山学園本のページへのリンク