境界値問題
境界値問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 18:27 UTC 版)
「常微分方程式の数値解法」の記事における「境界値問題」の解説
常微分方程式 d y d x = f ( x , y ) {\displaystyle {\frac {dy}{dx}}=f(x,y)} の解 y ( x ) {\displaystyle y(x)} で, a ≠ b {\displaystyle a\neq b} に対する境界条件 r ( y ( a ) , y ( b ) ) = c {\displaystyle r(y(a),y(b))=c} を満足するものを求める問題を境界値問題 (boundary-value problem) と呼ぶ。初期値問題と異なり、境界値問題では複数の解が存在すること、あるいは解が存在しないことがあり得る。また、スツルム=リウヴィル型微分方程式のように常微分方程式にパラメータ λ {\displaystyle \lambda } が含まれ、境界値問題に解が存在するようにパラメータ λ {\displaystyle \lambda } を同時に定める問題もある。 これらの問題を数値的に解く最も単純な方法が狙い撃ち法 (shooting method) である。一方の端点(例えば x = a {\displaystyle x=a} )において初期条件 y ( a ) {\displaystyle y(a)} を適当に定めて微分方程式をもう一方の端点 x = b {\displaystyle x=b} まで解き、境界条件を満たすように未定の初期条件(および固有値)を適切に選ぶ。これはニュートン法などの関数の根を求めるアルゴリズム(これはしばしば逐次反復を伴う)を常微分方程式の数値解法と組み合わせることを意味する。ただし初期条件によっては区間 [ a , b ] {\displaystyle [a,b]} 全体で定義された解が存在しないことがあり、そのために改良された手法がある。あるいは有限要素法 (finite element method) などの手法も用いられる。
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境界値問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 03:27 UTC 版)
詳細は「境界値問題」を参照 よく見られるタイプの境界値問題は、抽象的に表せば、境界条件 G ( y ) = z {\displaystyle G(y)=z} のもとで方程式 F ( y ) = 0 {\displaystyle F(y)=0} を満たす関数 y を見つけるというものである。たとえば、ディリクレ境界条件のもとでラプラス方程式を解く場合、 F はある領域 R におけるラプラシアンにあたり、 G は y を R の境界に制限する演算子、 z は R の境界において y が等しくならなければならない関数を意味する。 F および G がどちらも線形演算子である場合には、方程式F( y ) = 0の解の線形重ね合わせがやはり方程式の解となる、という形で重ね合わせの原理が成り立つ。 F ( y 1 ) = F ( y 2 ) = ⋯ = 0 ⇒ F ( y 1 + y 2 + ⋯ ) = 0 {\displaystyle F(y_{1})=F(y_{2})=\cdots =0\ \Rightarrow \ F(y_{1}+y_{2}+\cdots )=0} このとき境界値も加算される。 G ( y 1 ) + G ( y 2 ) = G ( y 1 + y 2 ) {\displaystyle G(y_{1})+G(y_{2})=G(y_{1}+y_{2})} そのため、方程式の解のリストが与えられれば、解を適当に重ね合わせることで境界条件を満たす解を作り出すことができる。これは境界値問題を解くアプローチとして一般的なものである。
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