最大値原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/05 05:24 UTC 版)
数学における最大値原理(さいだいちげんり、英: maximum principle)とは、特定の楕円型および放物型の偏微分方程式の解が持つある性質のことを言う。大雑把に言うと、ある領域内でのある関数の最大値は、その領域の境界上に存在する、ということがこの原理では述べられている。特に、ある関数が領域の内部で最大値を取るのなら、その関数は一様に定数である、ということについて述べた原理は「強最大値原理」と呼ばれる。関数の最大値は領域の境界上で取られるが、領域の内部でも同様に起こり得る、ということについて述べた原理は「弱最大値原理」と呼ばれる。他に、ある関数をその最大に関して単純に境界で制限するような、さらに弱い最大値原理も存在する。
- ^ Rockafellar (1970) の32章を参照。
- ^ Berenstein and Gay を参照。
- ^ Evans を参照。
- 1 最大値原理とは
- 2 最大値原理の概要
- 3 参考文献
最大値原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/18 02:16 UTC 版)
詳細は「最大値原理」を参照 調和関数の平均値の性質は、最大値(最小値)に強い制約を課すため、調和関数は領域の境界で最大値(最小値)をとる。正確には、U を Rn の有界な開集合とし、φ が U 上の調和関数で、φ を境界に連続に拡張できるならば、 max U ¯ ϕ = max ∂ U ϕ {\displaystyle \max _{\overline {U}}\phi =\max _{\partial U}\phi } が成り立つ。この性質を調和関数の最大値原理と呼ぶ。U が連結開集合である場合に、 max U ϕ {\displaystyle \max _{U}\phi } が存在すれば、φは定数関数となる。この性質を調和関数の強最大値原理と呼ぶ。 最大値原理の直接的な応用としては、ポアソン方程式の境界値問題における解の一意性の証明がある。Rn の有界な開集合U とその境界 ∂U において、f ∈ C(U)とg ∈ C(∂U)を与え、ポアソン方程式の境界値問題を考える。この境界値問題の二つの解に対し、差を取ったものは調和関数であり、最大値原理より、その最大値、最小値はゼロとなる。すなわち、二つの解は一致する。
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