地震諸元のリアルタイム推定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/20 09:31 UTC 版)
「早期地震警報システム」の記事における「地震諸元のリアルタイム推定」の解説
「ユレダス」も参照 沿岸、沿線および主要内陸部に設置される早期警報用地震計は、P波を検知すると、最初の数秒間の地震波型により、震源までの距離、震源の方位を求め、それからマグニチュードを数式的に計算する。これにより震央の位置と震源の深さを推定できる。ここまではユレダスのシステムとほぼ同様である。ユレダス自体が新幹線の地震防護を想定して開発されたものであり、もっとも初期型のものはP波検知後3秒間で地震諸元を決定、警報を出していた。ユレダスは当初1989年に東海道新幹線で設置を開始、以降、阪神・淡路大震災などを受けて新幹線の他の路線への展開や、改良型コンパクトユレダスの採用などがされていった。 2006年 - 2007年にかけてシステムが更新され、単体のユレダス等から置き換えが進み、またP波検知後最短2秒間で地震諸元を決定できる地震計に順次置き換えられていった。 早期地震警報システムにおいては、この地震諸元推定アルゴリズムに改良を加えて、M8クラス以上の巨大地震において断層の破壊時間が長時間掛かるためにマグニチュードの推定誤差が大きくなる(結果として被害判定に遅れが出る)問題を改善した新地震計を採用している。 この改良アルゴリズムは「B-⊿法」と呼ばれ、まず計測されたP波地震波形(時間変化t)の振幅包絡線と、次式関数による曲線とが最も近似する係数A、Bを算出する。 y(t)=Bt・exp(-At) 続いて次の式により震央までの距離⊿を算出する。 log ⊿ = a・logB + b これにより初動最大振幅Amaxから次式により、P波検出当初1-2秒程度の間に、マグニチュードMを推定することが可能となった。 M = α・log(Amax) + β・logB + γ
※この「地震諸元のリアルタイム推定」の解説は、「早期地震警報システム」の解説の一部です。
「地震諸元のリアルタイム推定」を含む「早期地震警報システム」の記事については、「早期地震警報システム」の概要を参照ください。
- 地震諸元のリアルタイム推定のページへのリンク