地上施設の改良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 16:55 UTC 版)
「新幹線300系電車」の記事における「地上施設の改良」の解説
東海道区間に多数存在するR2500のカーブではカント量は180 mmであったが、300系の運転開始に伴い限界までの200 mmに変更された。また、R3000のカーブでも、カント量が150 mmから180 mmに変更された。こうすることで、これらの区間でも最大255 km/hで走行できるようにした。このカント量の変更工事は、東海道新幹線の約1/4である120 km上で実施された。 また、従来の車両と最高速度が異なるため、ATCにも改良が加えられた。まず、ATCを270 km/hにも対応させるため、ATCが2周波数化された。新たに高速側に信号を増やすことになったが、従来の1周波数方式では情報が乗りきらなくなるためである。加えて、閉塞区間の長さを、安全性の面から再検討して従来の10 kmから8.5 kmに短縮した。こうすることで、従来のダイヤに高速化した300系を加えることができるようにした。 その他にも、東海道新幹線の饋電方式を、BT饋電方式からAT饋電方式に変更した。これは、300系は編成内に特高圧引通線を引き通し、そこに3基のパンタグラフを装備して、編成内の各ユニットに架線からの電気を供給するため、BT饋電方式の場合だと、約4 kmごとに架線に挿入されるブースタートランスによってトロリー線にブースターセクションが設けられるため、そこを通過すると、交流周波数の位相差により、パンタグラフの間で特高圧引通線を介して電気が流れトラブルが発生すること、負荷電流が大きいと通過時の一時的な遮断により過大なアークが発生してしまうためであり、1991年までにAT饋電方式に改良された。その結果、沿線に25ヶ所あった変電所が増強も含めて16ヶ所に減らされた。
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