在日外国人

国際保健用語集

在日外国人

【英】：Foreigners Living in Japan

この言葉に関する明確な定義はない。しかし、この言葉は社会一般に定着しており、日本に暮す外国人の総称として考えられる。この言葉の概念には、「日本に定住している外国人」という要素が含まれている。定住性を表す言葉として「定住外国人」がある。これは概ね5年以上の居住者を指す。在日外国人に関する表現は、その対象者の生活基盤実態を考慮して表現される。行政の報告書では「外国籍住民」「外国籍市民」「在住外国人」の表記が多く、NGO/NPOレポート等では短期滞在者を含めた「滞日外国人」の表記が多い。日本における外国人には、「出入国管理及び難民認定法」によって在留資格が定められ、「外国人登録法」によって外国人登録が行なわれる。1980年代前半まで、日本における外国人登録者の大半は歴史的背景を持つ朝鮮半島出身の在日韓国・朝鮮人であった。その人口構成は日本人同様に高齢化、少子化が急激に進んでいる。一方、1980年代後半以降、東南アジア、南米出身の人口が急増している。日系ブラジル人に代表されるその人口構成は、20歳代から30歳代の生産年齢人口に集中し、定住化・永住化傾向が顕著である。また、日本人の国際結婚が急増、親が外国人の子どもが急増している。人々が多様化している日本社会において、国籍や民族、ルーツなど異なる人々が、互いに尊重し、共に生きていくことのできる多文化共生社会の実現、在日外国人の法的人権保障の確立が社会的課題となっている。 （李節子）

参考図書：在日外国人の母子保健　医学書院　1998