国宝 (小説)とは? わかりやすく解説

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国宝 (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/19 06:18 UTC 版)

国宝
著者 吉田修一
発行日 2018年9月7日
発行元 朝日新聞出版
日本
言語 日本語
形態 四六判上製カバー装
ページ数 360(青春篇)
360(花道篇)
公式サイト 吉田修一 作家生活20周年記念作品『国宝』公式サイト
コード ISBN 978-4-02-251565-0(青春篇)
ISBN 978-4-02-251566-7(花道篇)
ISBN 978-4-02-265008-5(青春篇)
ISBN 978-4-02-265009-2(花道篇)(文庫本
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国宝』(こくほう)は、吉田修一小説である。吉田修一作家生活20周年記念作品、及び朝日新聞出版10周年記念作品[1]

2025年に実写映画が公開された[2][3]

概要

朝日新聞』に2017年1月1日から2018年5月29日にかけて連載された後、加筆修正され2018年9月7日に『国宝 上 青春篇』『国宝 下 花道篇』の二部構成で朝日新聞出版から同日発売された[4]。執筆のきっかけとなったのは溝口健二の『残菊物語』作中の演目『積恋雪関扉』を見て惹きつけられたからだという[5]。第69回芸術選奨文部科学大臣賞、第14回中央公論文芸賞受賞[6]

あらすじ

任侠に生まれて、歌舞伎役者に引き取られた喜久雄と歌舞伎の名門に生まれた俊介。 2人が芸の道に生きる物語。

登場人物

書誌情報

小説

漫画

  • 吉田修一(原作)・三国史明(作画)『国宝』小学館〈ビッグコミックス〉、既刊1巻(2024年9月30日現在)
    1. 2024年9月30日発売[11]ISBN 978-4-09-863078-3

映画

国宝
監督 李相日
脚本 奥寺佐渡子
原作 吉田修一
製作 村田千恵子
松橋真三
出演者 吉沢亮
横浜流星
高畑充希
寺島しのぶ
森七菜
三浦貴大
見上愛
黒川想矢
越山敬達
永瀬正敏
嶋田久作
宮澤エマ
中村鴈治郎
田中泯
渡辺謙
音楽 原摩利彦
主題歌 原摩利彦 feat. 井口理「Luminance」
撮影 ソフィアン・エル・ファニ
編集 今井剛
制作会社 CREDEUS
製作会社 映画「国宝」製作委員会
配給 東宝
公開 2025年6月6日
上映時間 174分
製作国 日本
言語 日本語
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2025年6月6日に公開された[12][13]。監督は李相日、主演は吉沢亮[2][3]PG12指定[14]。李が吉田修一の作品を映画化するのは、『悪人』『怒り』に続き3度目となる[2][3]

2025年5月18日(日本時間19日)、第78回カンヌ国際映画祭の「監督週間」部門で世界初上映された[15][16]

キャスト

スタッフ

制作エピソード

本作を制作するにあたりメインキャストである吉沢亮と横浜流星は歌舞伎の舞踊や所作も含めた稽古に1年半の時間をかけ、撮影には3ヶ月の時間をかけた。映画撮影後のインタビュー時に吉沢は「稽古を1年半やって、やればやるほど間に合わないことに気づいていくんです。子どもの頃から舞台に立つ皆さんと比べたら、もちろん1年半でどうにかなる話ではないのですが、それを理解しながらそれでも食らいついていく精神力というか、歌舞伎にしがみつく意地がこの映画には必要だったんだという気がしました」と語り、横浜は「自分もあまり歌舞伎の世界について知りませんでした。知っていると必要のないことまで頭に入ってきてしまうでしょうし、知らないからこそ知ろうと追い求めた部分はあったかもしれません。しきたりにも敬意を払いつつ歌舞伎役者を生きたことも含め、無我夢中でやり切れたかなと思っています」と語っている[22]

本作の中で演じていて強く印象に残ったシーンについて質問された吉沢は「胸を打つというのとは違うかもしれませんが、ビルの屋上で狂ったように踊るシーン。3テイクくらい撮ったなかで、やっていることもバラバラでほぼアドリブだったんです。使われたのは最後のテイクで、監督に森七菜ちゃんの顔を見ていてって言われたんです。それでバッと見ていたら『どこ見ているの?』って七菜ちゃんに言われて。『どこ見てたんやろな』って自然と出てきたセリフだったんです。僕自身のフィルターを通しながら、確かに喜久雄ってどこ見ているんだろう? と分からなくなる瞬間で、すごく素直にあの言葉が出てきたこともあり、あのシーンの撮影風景も含めて何もかもが印象に残っています」と答えている[22]

印象に残ったシーンや台詞について質問された横浜は「俊介が自分で発した『ほんもんの役者になりたい』というセリフは胸を打つというか……。俊介と自分は正反対の人間ですが、唯一その思いだけは共鳴できたというか、共感できた言葉でした」と答えている[22]

漫画

同名のコミカライズが『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて、2024年23号より連載されている[23]。作画は三国史明が担当[6]。小説を原作とした内容となっている[24]

脚注

出典

  1. ^ 吉田修一の作家生活20周年作品『国宝』、9月7日発売決定!特報PVも公開!”. PR TIMES (2018年5月17日). 2024年10月8日閲覧。
  2. ^ a b c d “吉田修一の歌舞伎テーマにした小説「国宝」が映画化、吉沢亮が“稀代の女方”演じる”. ステージナタリー (ナターシャ). (2024年3月5日). https://natalie.mu/stage/news/563711 2024年12月25日閲覧。 
  3. ^ a b c d “吉沢亮、稀代の女方歌舞伎役者に! 吉田修一「国宝」映画化で李相日監督と初タッグ”. 映画.com (エイガ・ドット・コム). (2024年3月5日). https://eiga.com/news/20240305/1/ 2024年12月25日閲覧。 
  4. ^ 『国宝』発売記念 吉田修一さんサイン会、全国三都市で開催!”. 朝日新聞出版. 最新刊行物. 2024年10月8日閲覧。
  5. ^ 歌舞伎の黒衣経験を血肉に、冒険し続けた4年間 吉田修一さん新刊「国宝」1万字インタビュー”. 好書好日. 朝日新聞社 (2018年9月8日). 2024年10月8日閲覧。
  6. ^ a b 『国宝』 原作/吉田修一 作画/三国史明”. ビッグコミックBROS.NET(ビッグコミックブロス). 小学館. 2024年10月8日閲覧。
  7. ^ 国宝 上”. 朝日新聞出版. 2024年10月8日閲覧。
  8. ^ 国宝 下”. 朝日新聞出版. 2024年10月8日閲覧。
  9. ^ 文庫:国宝 上”. 朝日新聞出版. 2024年10月8日閲覧。
  10. ^ 文庫:国宝 下”. 朝日新聞出版. 2024年10月8日閲覧。
  11. ^ 国宝 1”. 小学館. 2024年10月8日閲覧。
  12. ^ “吉沢亮主演「国宝」予告&ビジュアル初公開 横浜流星、渡辺謙のソロビジュアルも”. 映画.com (エイガ・ドット・コム). (2024年12月23日). https://eiga.com/news/20241223/1/ 2024年12月25日閲覧。 
  13. ^ “吉沢亮と横浜流星の運命が揺らぐ「国宝」予告&ポスタービジュアル解禁、公開は6月”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2024年12月23日). https://natalie.mu/eiga/news/604815 2024年12月25日閲覧。 
  14. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad 国宝:作品情報・キャスト・あらすじ”. 映画.com. エイガ・ドット・コム. 2025年4月12日閲覧。
  15. ^ 吉沢亮 主演映画「国宝」カンヌ国際映画祭で世界初上映「皆さんの反応が楽しみでもあり…」”. Sponichi Annex (2025年5月18日). 2025年5月21日閲覧。
  16. ^ 吉沢亮、主演映画「国宝」がカンヌで正式上映 6分スタンディングオベーションに感無量”. テレ朝news. テレビ朝日 (2025年5月19日). 2025年5月21日閲覧。
  17. ^ “横浜流星、映画『国宝』出演 吉沢亮の親友でありライバルとなる梨園の御曹司役「敬意を払って人間臭く生きる」”. ORICON NEWS (oricon ME). (2024年4月10日). https://www.oricon.co.jp/news/2322061/full/ 2024年12月25日閲覧。 
  18. ^ a b c d e f g h i j k l “吉沢亮×横浜流星『国宝』新キャスト12名一挙発表 渡辺謙・高畑充希・寺島しのぶ・森七菜・見上愛ら参戦”. シネマトゥデイ (シネマトゥデイ). (2024年10月8日). https://www.cinematoday.jp/news/N0145352 2024年12月25日閲覧。 
  19. ^ a b “映画「国宝」指導・出演に中村鴈治郎、吉沢亮ら演じた歌舞伎のシーンに「とても感動」”. ステージナタリー (ナターシャ). (2025年3月11日). https://natalie.mu/stage/news/615108 2025年4月12日閲覧。 
  20. ^ “吉沢亮主演『国宝』主題歌発表 歌唱に井口理、作詞に坂本龍一さんの娘・美雨”. ORICON NEWS (oricon ME). (2025年4月23日). https://www.oricon.co.jp/news/2381251/full/ 2025年4月23日閲覧。 
  21. ^ a b c 国宝:作品情報”. シネマトゥデイ. シネマトゥデイ. 2024年12月25日閲覧。
  22. ^ a b c 大塚史貴 (2025年6月2日). “吉沢亮×横浜流星が全身全霊で体現した、芸に「身を捧げる」ことの真意【「国宝」インタビュー】”. 映画.com. 株式会社エイガ・ドット・コム. 2025年6月16日閲覧。
  23. ^ 「国宝」のコミカライズ連載がスピリッツで開幕、芸道に身も心も捧げた男の一代記”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年5月2日). 2024年10月8日閲覧。
  24. ^ 極道生まれの少年が歌舞伎の世界へ挑む、吉田修一「国宝」のコミカライズ版1巻”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年9月30日). 2024年10月8日閲覧。

外部リンク

小説
映画



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