回想『灘を継ぐ者』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 00:46 UTC 版)
「TOUGH (漫画)」の記事における「回想『灘を継ぐ者』」の解説
ミハイル・ミロコビッチ 熹一の幼年時代の回想シーン(15年前)に登場するロシア軍の脱走兵。歴戦の兵士らしく全身に傷痕のある巨漢で、威圧的な風貌だが、敬虔なキリスト教徒で根は善良な人物である。 特殊任務部隊に所属していたが、軍内部の不正を告発しようとしたことから、上官に殺害されかけるも返り討ちにする。その際、手榴弾を上官の口に突っ込んで爆発させたため自身も左腕を失い、以来義手である。事件をきっかけに軍だけでなくロシアン・マフィアからも追われる身となり、家族を残し日本に密入国。その後は雄華組に匿われていた。 ロシアのマーシャルアーツ「システマ」の使い手で、アイアン木場をして「バケモノ」と言わしめる実力の持ち主。なお、作中でのシステマの描写は本来の近接格闘術ではなく、「ロシアの合気道」の別名を持つ灘神影流によく似た格闘技で、使い手の肉体を伸縮自在に変化・移動させて銃弾もよけるなど、常人離れした動きも見せる。 木場が塙団十郎の逆鱗に触れたことがきっかけで彼と戦うことになるが、当時若く勢いもあった木場を、いとも容易く倒してしまう。元々ロシアへの帰国を願っていることから、木場の「宮沢静虎に勝ったらロシアに帰してやる」という甘い言葉に乗せられ、渋々ながら静虎と闘うことになる。熹一の目前で死闘を繰り広げ、静虎の「菩薩拳」により倒される。直後に木場や塙が介入し、ロシアン・マフィアに引き渡される危機を迎えるも、静虎が体を張って守り抜いたため、事なきを得た。 アイアン木場(-きば) 日本最大のプロレス団体「ワールド・プロレス」総師にして、プロレス界のスーパースター。「プロレス最強論」を証明し続けてきたが、ある高名な武道家から「お前は灘神影流には勝てない」と言われたことに腹を立て、静虎宅に乗り込んでくる。 その後、塙の私邸で出会ったミハイルと交戦しあっけなく倒されるが、ロシアへの帰還を餌にミハイルを静虎にけしかけた。それが失敗に終わると、敗北したミハイルを口汚く罵り踏みつけようとするも、怒ったミハイルの一撃を受け、左目に重傷を負ってしまった(前作では、静虎との野試合に敗れて左目を失ったことになっている)。 塙団十郎(はなわ だんじゅうろう) 神戸に本拠を置く国内最大の暴力団・雄華組の組長で、ミハイルを匿っていた。しかしその目的はロシアン・マフィアに彼の身柄を売り渡すため、あくまで金のためであった。居合の達人でもあり、愛用の杖は仕込み杖となっている。 当時のアイアン木場の有力なパトロンだが、プロレスを「所詮はショーであって、真剣勝負ではない」と貶した(面白さ自体は評価している)ため、木場と口論になるなど一触即発の場面もあった。静虎にミハイルを引き渡すよう迫るが、手下や木場を静虎に一蹴され失敗に終わる。静虎のミハイルを思う強い心に一応は納得するも、「ヤクザを怒らせた落とし前」として彼の腕一本をもらい受けようと刀を振り下ろす。しかし筋肉で止められてしまい、静虎に感服。ミハイルの件から手を引くことを約束し、去っていった。
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