四アルキル鉛
【英】: tetraalkyl lead
広い意味ではアルキル基(一般に CnH2n+1 で表される)4 個と鉛とが結合したものをいうが、労働安全衛生法施行令では四メチル鉛、四エチル鉛、一メチル・三エチル鉛、二メチル・二エチル鉛および三メチル・一エチル鉛並びにこれを含有するアンチノック剤を四アルキル鉛と呼んでいる。用途はアンチノック剤で、ガソリンに添加してオクタン価を向上させるのに用いる。その主となる四エチル鉛の性状を示すと、化学式 Pb(C2H5)4 、比重 1.653(20/4 ℃)、融点-130 ℃、沸点 200 ℃±、蒸気圧 0.25mmHg(20 ℃)、蒸気の許容濃度 0.10mg/m3(ACGIH 、1983-4 による)で毒性が強い。ガソリン中に含まれる四アルキル鉛の量を知るには、日本工業規格(JIS)の K2255(ガソリン中の鉛分析方法)によって鉛分を求めればよい。試験方法は、自動車ガソリン 1 号と航空ガソリンは一塩化沃素法{いちえんかようそほう}、自動車ガソリン 2 号は吸光光度法か原子吸光分析法(A 、B2 法)による。一塩化沃素法は、四アルキル鉛を一塩化沃素で水溶性の化合物にして分離し、硝酸で酸化して無機鉛に変え、EDTA で滴定する。吸光光度法は、四アルキル鉛を臭化カリウム―臭素酸カリウム溶液で臭素化して分離し、煮沸して無機鉛に変え、ジチゾンで発色させて波長 520mm の吸光度を測定する。原子吸光分析法は、前処理をしたあと、原子吸光分析計で鉛の量を求める。 |

テトラエチル鉛
(四アルキル鉛 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/03 07:53 UTC 版)
テトラエチル鉛 | |
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tetraethyllead |
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別称
TEL
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 78-00-2 |
RTECS番号 | TP4550000 |
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特性 | |
化学式 | C8H20Pb |
モル質量 | 323.44 g/mol |
外観 | 無色の粘性液体 |
密度 | 1.653 g/mL (25 °C) |
融点 | -136 °C |
沸点 | 84-85 °C (15 mmHg) |
水への溶解度 | 不溶 |
屈折率 (nD) | 1.519 |
構造 | |
分子の形 | 四面体 |
双極子モーメント | 0 D |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | ICSC 0008 |
主な危険性 | 毒性、可燃性 |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R61 R26/27/28 R33 R50/53 R62 |
Sフレーズ | S53 S45 S60 S61 |
引火点 | 346 K - 73 °C - 163 °F |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | テトラフェニル鉛 |
その他の陽イオン | テトラメチルシラン テトラメチルスズ |
関連物質 | 塩化鉛(II) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
テトラエチル鉛(テトラエチルなまり、英: tetraethyllead、略称:TEL)は、化学式が Pb(CH3CH2)4 で表される有機鉛化合物である。四エチル鉛。 エンジンのノッキングを防ぐアンチノック剤として用いられ、類縁体のエチルトリメチル鉛、ジエチルジメチル鉛、テトラメチル鉛と合わせて四アルキル鉛、アルキル鉛とも呼ばれている。 また、日本においては毒物及び劇物取締法第二条によって指定されている毒物の一種である。
性質
特異臭を有する無色の液体で、揮発しやすい。日光に対して不安定で、徐々に分解・白濁する。引火性があり、金属に対しても腐食性を持つ。蒸気として、そして皮膚から吸収され易く、強い神経毒性を有する[1]。
合成
クロロエタンと鉛-ナトリウム合金との反応によって合成される[1]。
四アルキル鉛と同じ種類の言葉
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