営利行為への賛否についての識者の見解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/27 15:20 UTC 版)
「嫌儲」の記事における「営利行為への賛否についての識者の見解」の解説
「嫌儲」の心理や原因等については複数の識者から推察・指摘がなされている。津田大介、ちきりんらによれば、「嫌儲」的な発想に同調する一部のインターネット利用者たちは、自分の利益が減ることよりも、自分とは関係のない第三者が利益を得ること自体を憎悪しているとしている。またニコニコ動画を運営するドワンゴ会長であり、カドカワの社長でもある川上量生によれば、彼らは自分たちを社会的にも経済的にも弱者であるとしており、濱野智史によれば、自分たちの世間は平等でなければならないと考えていると指摘する。 週刊ポストの中川淳一郎はそうした人々の間に広がる思想として、インターネットはしがらみのない自由な空間でなければならないとし、佐藤信正はインターネット利用者が自分たちで作り上げたコンテンツは、金銭の流れがないからこそ自由であり公平性が保たれている、という考え方があるのではと指摘している。佐藤は、すなわち「嫌儲」的な発想を支持し金儲けを敵視する人々にとって、「2ちゃんねる」や、オンライン百科事典「ウィキペディア」のように、ユーザーによって作られるコンテンツは、こうした金儲けに対する嫌悪感によって庇護され支えられているという自負があるのではないか、と指摘する。またその理由として、「課金がなされることにより、課金にあったクオリティが更に要求されるようになり、コンテンツが自由に作成することが出来なくなってしまうことの懸念がある」とも述べている。 川上量生が提唱する定義によれば、「彼らは他人が社会的に失墜して不幸になることを嘲笑して喜ぶ一方、そうした純朴な信念をもつという二面性を矛盾なく併せ持った人々なのである」と述べる。
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