周波数の精度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 02:57 UTC 版)
商用周波数で稼働する交流モータや電熱機器を使用している需要家に於いて、電源(商用)周波数の変動はモータトルクやヒータ出力の変動に直結し工業製品の製造工程の安定性や品質に直結する為、高精度で安定した周波数での供給が求められている。しかし、島国である日本は他国との系統連係が無い上に国内で二分されているため、系統内の容量が小さく周波数変動が発生しやすい。 実際の系統ではタービン出力が一定であれば「電力需要が減少した時は回転速度が高くなり周波数と電圧の上昇」、逆に「電力需要が増加した時は回転数が低くなり周波数と電圧の低下」と言う現象が起きている。電力会社は数分単位の「短時間変動」と30分単位の「長時間変動」に対し発電機の出力調整などを行い周波数の安定を図っている。日本での周波数の調整方法には「定周波数制御方式」、「定連系線潮流制御方式」、「周波数バイアス連系線潮流制御方式」、「選択周波数制御方式」がある。なお、出力調整に失敗し周波数が一定の調整範囲を逸脱した場合、発電所は系統から解列される(切り離される)ため停電が発生する。(発生例:1987年7月23日首都圏大停電、2018年9月6日北海道胆振東部地震による大規模停電) 日本の電力会社が目標としている周波数偏差北海道 50±0.3Hz以内、時差 3秒以内 中西地域 60±0.2Hz以内、(中部電力 時差±10秒以内、滞在率95%以上 60±0.1Hz) 東地域 50±0.2Hz以内、(東京電力 時差±15秒以内) 島嶼部 沖縄電力 60±0.3Hz以内、時差±8秒以内 北米 (NERC) 年間標準偏差(一分間平均値)目標値東部: 0.018Hz以内、西部:0.0228Hz以内 テキサス(ERCOT):0.020Hz以内 ケベック:0.0212Hz以内 欧州 (UCTE) 年間標準偏差(一分間平均値)目標値50±0.04Hz以内:90%以上、50±0.06Hz以内:99%以上
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