同人誌と表現規制を取り巻く問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 16:52 UTC 版)
「同人誌」の記事における「同人誌と表現規制を取り巻く問題」の解説
コミックを中心とする同人誌での性描写に対し、青少年の健全な育成を主張する立場から表現規制を求める声は強く、深刻な問題となっている。 その一例として、「児童の保護」を目的として「東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正案」で規定されている「非実在青少年」と、各道府県の「青少年保護育成条例」、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(通称児童ポルノ禁止法)の改正案」で導入を進めている「準児童ポルノに対する規制」を根拠に、同人誌を含むコミックの性表現を規制しようとする運動があり、可決されるだけでも規制の論拠として足りるものとなる。 さらに、前述の改正案が可決されて性表現の規制が厳しくなれば、今度は「コミックの規制に乗じ、暴力・犯罪などの表現も合わせて規制」しようとする動きもある。 特に2000年代の情勢を考慮して、2006年(平成18年)以降のコミックマーケットでは修正関連も含めて規則を強化している。また、2007年(平成19年)8月23日に起きたわいせつ図画頒布(刑法175条)容疑での同人作家の逮捕や、同年10月下旬に起きた同人誌即売会に対しての会場(東京都立産業貿易センター)の貸し出し拒否の波及などを受け、印刷業組合や各同人誌即売会の主催者などはガイドラインを制定したり、規則に沿った修正を確実にするよう同人作家へ促している。こうした刑法175条に基づく性器描写の修正については、不合理な規制であるから廃止すべきといった批判もあり、参議院議員の山田太郎が刑法175条の見直しを政策課題として掲げている。 なお、日本(世界)最大の同人誌即売会であるコミックマーケットに固有の安全性や地域住民の理解・会場確保に関する問題についてはコミックマーケットの項を参照されたい。
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