各地域にみられる特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 04:12 UTC 版)
詳細は「en:Timber roof truss」および「木造軸組構法」を参照 中東など降水量の少ない地域では、古くから木の枝に土をかぶせただけの簡易な陸屋根が用いられた。一方で、降雨の頻繁な地域では排水に有利な傾斜を持つ屋根が利用された。その形状の主流は切妻と寄棟であり、日本を含む東アジアではそれを組み合わせた入母屋が最も高い格式を持つとされた。 傾斜を持つ屋根は、木造の柱と横架材で小屋組を構成して作られる。西洋では、耐火などの理由で外壁が煉瓦造や石造である場合でも、屋根の小屋組は木造で組まれることが一般的である。一方で、ゴシック建築に見られる壮大な教会堂や宮殿などでは大広間などの空間を実現するために、アーチ構造を組み合わせたドームやヴォールトが利用された。西洋の上級建築においては重厚感あふれる石造が好まれたが、組積造のみで屋根を構築する場合はアーチの利用は不可欠である。 台風やハリケーンの多い地域(東アジア、東南アジア、アメリカ・メキシコ東海岸、メキシコ西海岸など)と少ない地域(ヨーロッパなど)では屋根の軒の出に違いがあり、ヨーロッパでは雨水の浸入リスクが小さいため軒の出が短く、日本では梅雨や台風の季節があるため軒の出が長い(ただし雨水侵入対策をしている軒ゼロ住宅も出てきている)。 現代建築において、鉄筋コンクリート造のラーメン構造では柱と梁で屋根スラブを支えて陸屋根を構築する。 藁で葺いた簡素な陸屋根 泥煉瓦の家。屋根は腕木で支える(パキスタン) サン・マルコ寺院のドーム屋根 鉄筋コンクリートの屋根スラブ
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