単行本発売のペース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 01:55 UTC 版)
「ポケットモンスターSPECIAL」の記事における「単行本発売のペース」の解説
本作品は単行本の発売が不定期になりやすい。これは、章が変わっても巻数が継続する仕様上、単行本において古い章が完結するまでは新しい章の単行本化が行われないためである。 章ごとに違う雑誌で並行連載が行われている場合、主要な連載誌である月刊誌では、ゲーム本編の最新作に合わせた新しい章の連載が優先して行われる。一方の古い章は、不定期刊行雑誌で連載される場合もあるが、それさえも新しい章の連載が優先されて、完結しないまま連載停止になってしまうことも少なくない。その結果、章の終盤に差し掛かるとストック切れが深刻になり、残りのストーリーは単行本へ直接の描き下ろしを余儀なくされるため、単行本の刊行ペースは鈍化する。その為、連載誌と単行本では大幅に台詞や展開が異なる場合も存在する。 一方の新しい章は、単行本において古い章が完結するまでは、単行本化ができないままひたすらストックを増やしていくことになり、最終的に単行本化が実現するのは、連載開始から2年近く経った後になることも多い。逆にひとたび単行本化が可能になれば、それまでに溜まった膨大なストックを一気に消費できるため、数か月連続で刊行されることもある。 このことは以下のような事情にも発展した。特に第7 - 9章は掲載誌の休刊や第10章の開始でペースが複雑化している。 第6章(エメラルド編)描き下ろしの事情 第6章は中盤以降から、連載を学年誌から『ポケモンワンダーランド』に移行したが、同誌は不定期刊行であったため、2007年7月14日のvol.9発売から2008年10月18日のvol.10発売まで、1年3ヵ月の期間を要した。その影響で単行本化が出来ず、『ポケモンワンダーランド』での連載は当初vol.11まで行う予定だったが、それをvol.10で打ち切り、残りの部分は29巻に直接描き下ろされた。そのため28巻が発売されてから29巻が発売されるまで約1年かかることになり、第7章(ダイヤモンド・パール編)の単行本への収録は、第7章(ダイヤモンド・パール編)連載開始から約2年が経過した2008年12月発売の30巻からとなった。 学年誌の休刊に伴う連載雑誌変更および連載停止事情 2009年度をもって『小学五年生』と『小学六年生』が休刊となったため、第7章と第8章(プラチナ編)が連載停止。2010年度からは『コロコロイチバン!』と『ポケモンファン』に移行し、既存の『小学四年生』を含めた3誌とも、新たに第9章の連載を開始したが、同年9月より第10章(ブラック・ホワイト編)に順次移行した。そのため第7章・第8章・第9章が停止状態となった。この結果、これらの章の終盤は単行本描き下ろしの割合が非常に多くなり、第8章完結分が収録された40巻に至っては全ページ描き下ろしとなった。 さらに2011年度をもって『小学四年生』が休刊になったため、3誌縦断連載というスタイルが維持できなくなり、2012年度からは『コロコロイチバン!』と『ポケモンファン』の2誌のみでの縦断連載へ変更。その為、第12章(X・Y編)に順次移行し、第11章(ブラック2・ホワイト2編)は連載数僅か6回で連載休止。加えて『ポケモンファン』は不定期発売のため、連載ペースは過去に比べると大幅に低下、その後『ポケモンファン』上での連載も中止された。 2015年からは学年誌の代わりにWebサイト『クラブサンデー』にて第13章(オメガルビー・アルファサファイア編)が連載開始され、休止となっていた第11章も第13章完結後に後継として『サンデーうぇぶり』で再開された。 第12章(X・Y編)より先行単行本化(2ライン化)の開始 以上のような事例を重ねた結果、第12章は単行本1冊分のストックが溜まり次第、第11章(ブラック2・ホワイト2編)の単行本化に先駆けて『ポケットモンスターSPECIAL X・Y』のタイトルで、従来とは別の巻数による単行本を発売するようになった。 ただし、これはあくまで「『コロコロイチバン!』の読者をメインターゲットにした先行単行本化」という形であり、これまでの巻数がリセットされたわけではない。従来の販売フォーマットも「通巻版」として継続し、第12章の通巻版は従来通り前章(第11章)が単行本上で完結した後のリリースを予定している。第13章(オメガルビー・アルファサファイア編)以降も同様の2ライン体制を採用しており、『ポケットモンスターSPECIAL オメガルビー・アルファサファイア』などといったタイトルで、通巻版に先駆けて先行版を別途発売している。 なお、この先行版は収録内容に加えてレーベルや判型も通巻版と異なっており、通巻版が「てんとう虫コミックススペシャル」(B6サイズ)であるのに対し、先行版は「てんとう虫コロコロコミックス」や「てんとう虫コミックス」(いずれもB40(新書判)サイズ)となっている。
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