創作と出版の経緯とは? わかりやすく解説

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創作と出版の経緯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 16:00 UTC 版)

ロマンティックな小品 (ドヴォルザーク)」の記事における「創作と出版の経緯」の解説

当時ドヴォルザーク家は、プラハ2区ジトナー街564番地に居を構え夫人母親同居していた。彼女は一室を、化学を学ぶ若い学生のヨセフ・クルイスに賃貸していた。クルイスはまた、プラハ国立劇場管弦楽団一員であるヤン・ペリカンに入門しヴァイオリン学んでいた。クルイスとペリカンはしばしデュエットヴァイオリン弾いており、ヴィオラ奏者であったドヴォルザークは、二人演奏を耳にして、二人共演できるような弦楽三重奏曲作曲しようと思い立ったのだった。 その成果が、1887年1月7日から14日までに作曲された《三重奏曲ハ長調イタリア語: Terzetto)》Op.74(B.148)だったのであるしかしながらこの曲は難しすぎてクルイスの手負えなかったため、ドヴォルザークはかなり簡単な別の三重奏曲作曲することになったのである。この第2の弦楽三重奏曲は《ミニアチュール》と名付けられ第1楽章カヴァティーナ」、第2楽章奇想曲」、第3楽章ロマンス」、第4楽章は「悲歌(あるいはバラード)」 と呼ばれた1887年1月18日付の楽譜出版ジムロック宛てた手紙の中で、ドヴォルザークこのように述べている。「小さなミニアチュール集を作曲しているところです—ただ2つヴァイオリンヴィオラのために—。小生は、あたかも大作交響曲作曲しているかのように楽しんで創作しております。これについて何か言いたいことはございますか?むろん、これらの曲はアマチュア向けを意図したものではありますが、しかしながらベートーヴェンシューマンも、かなり単純な手段で何かを表現しなかったでしょうか?。」ドヴォルザークはこの弦楽三重奏版の小品集満足していたのだが、直ちヴァイオリンピアノのため編曲取り掛かるであった。この新しい版をドヴォルザークは《ロマンティックな小品集》作品75とよび、作曲年代自筆譜終わりに「1887年1月25日」と記入している。《4つロマンティックな小品》は、1887年ベルリン出版社ジムロックより出版された。 ドヴォルザークは後に三重奏版の存在をすっかり忘れてしまい、1901年ジムロックに「三重奏前提されている曲が(中略)《ロマンティックな小品》である筈ありません」と釈明している。ドヴォルザーク自筆三重奏版の譜面(およびクルイスによるパート譜浄写)は1938年になって再発見され、ドヴォルザーク自身勘違いをしていたことが証明された。初稿である三重奏曲の《ミニアチュール(あるいはバガテル)》が出版されたのは、ようやく1945年チェコ出版社(Hudební Matice Umělecké Besedy)によってであった

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