制作動機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 03:27 UTC 版)
「ユーザー生成コンテンツ」の記事における「制作動機」の解説
コンテンツクリエイターがコンテンツを制作・提供することのメリットは直接的ではない。利他主義・社会主義・物質主義などの複数の観点から、コンテンツを制作・提供する動機付けにはさまざまな理論がある。ユーザー生成コンテンツの利用価値は高く、コンテンツプロバイダーはその動機を促してコンテンツクリエイターに制作・提供を促進している。この動機は暗黙的・明示的な動機に分けることができる。 暗黙的な動機は具体的な背景に基付いていない。最も一般的な暗黙的な動機は社会的な動機である。この動機はユーザーの所属するコミュニティの活発な参加者の気分を良くさせる。FacebookのフレンドやTwitterのフォロワーなど、ユーザー同士の関係を良好にする。社会的な動機は、他者とコンテンツを共有するFacebook・Twitter・YouTubeなどのコミュニティで、ユーザー同士の繋がりを構築する側面もある。ユーザーは、Amazon.comやeBayなどのコメント欄で製品情報・販売者情報を共有し、特定の製品・サービスの評価経験を蓄積する。その経験蓄積はユーザーが消費者となる際により適切な製品を選択するためのカスタマー・エクスペリエンス(英語版)を向上させる。他に挙げられる社会的な動機は、コミュニティ内のステータス・バッジ・レベルがあり、ユーザーが特別な権限を伴っているか否かに関わらず一定条件の達成によって得られるものである。Yahoo!知恵袋はこの種の社会的な動機を促す一例である。社会的な動機はコンテンツプロバイダーのコストをほとんど必要とせず、プラットフォームの大きな成長を促進することができる。しかし、社会的な動機によるコンテンツ制作・提供の促進は、その効用を発揮するためにはコミュニティがある程度成熟している必要がある。 明示的な動機は具体的な報奨に基付いている。報奨は、例えば、金銭的な支払い・コンテスト出展・クーポン・ポイントプログラムなどがある。明示的な動機はコミュニティの規模に依存することなく多くの人が容易に理解できる即物的な価値がある。カナダのショッピングプラットフォームであるWishabiやAmazon Mechanical Turkは金銭的な報奨を与えることで参加者へ明示的な動機を促している。明示的な動機の欠点は、利用者がその報奨を主観に参加することになることで、最終的にはその動機のみが唯一の参加理由になってしまう可能性があることである。そこに依存してしまうと社会主義・利他主義の動機付けを減少させてしまい、報奨を用意するコンテンツプロバイダーのコスト増加を必要とすることとなる。
※この「制作動機」の解説は、「ユーザー生成コンテンツ」の解説の一部です。
「制作動機」を含む「ユーザー生成コンテンツ」の記事については、「ユーザー生成コンテンツ」の概要を参照ください。
- 制作動機のページへのリンク