出生~『ベルガリアード物語』での活躍
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「エリオンド」の記事における「出生~『ベルガリアード物語』での活躍」の解説
はるか遠い昔、宇宙のある場所でひとつの星が爆発した。しかし、その星が本来爆発すべきではない場所で爆発してしまったために、宇宙を分裂させるほどの大事故が発生してしまった。そのため、宇宙――果ては世界――の運命は『光』と『闇』の2つに別れ、再び1つになる日を永いこと待ち続けていた。 本来『7番目の神』として生まれるはずだったエリオンドは、この宇宙での大事故以来、魂として存在し続けていた。彼が地球で肉体を得て活動を始めたのは、ベルガリオンがこの世に生を受けた、まさにその瞬間からである。彼は幼児の姿でひとり、世界の様々な人々から寝る場所と食べ物を提供してもらいながらあちこちを放浪していた。何も喋れないまま、本当の名前すら知らないまま。 そんな彼の運命が動き出したのは、邪神トラクの側近ゼダー(Zedar)とどこかの街の路地裏で出逢った時である。ゼダーは《アルダーの珠》をリヴァ王国(Riva)から奪うべく、純粋な心を持った子供を探していた。そのとき、ゼダーが見つけたのが彼だった。彼はクトル・マーゴスのラク・クタカ近郊の断崖にあるクタカの望楼でゼダーと暮らすが、その間、2人が会話することはめったになかった。彼がゼダーに言われていたのは、ただひとつ。 「お前にやってもらいたい使命(=エランド)があるのだ」 彼がゼダーとの生活で覚えた唯一の言葉であり、唯一口から発した言葉――それが『エランド(Errand)』だった。 彼が《アルダーの珠》を盗むのに妥当な年齢になると、ゼダーは彼を連れて風の島へ向かった。そして、ゼダーの目論み通り、彼はリヴァ王の玉座の後ろに飾ってあった《リヴァ王の剣》から《珠》を見事に『盗んだ』。ゼダーは《珠》を持った彼とともに、風の島から南へ向かい、トラクの眠る『終わりなき夜の都』クトル・ミシュラクへ向かおうとするが、道中、クトル・マーゴスのラク・クトルで、同門にしてライバルのクトゥーチク(Ctuchik) に行く手を阻まれ、やむなく彼と《珠》をクトゥーチクのもとへ置くこととなる。 その後、彼はしばらくクトゥーチクのもとで過ごすことになるが、《珠》を奪還すべく旅を急いでいたガリオン(のちのベルガリオン)一行が現れたことで運命が急変する。クトゥーチクが自滅し、崩壊するラク・クトルの神殿から、彼はガリオンの手で救助される。そして、リヴァへ戻る道中でセンダリアの鍛冶屋ダーニク(Durnik)から『エランド君』と呼ばれたことがきっかけで、みなから『エランド』と呼ばれるようになる。ガリオンやダーニク、ベルガラス(Belgarath)、ポルガラ(Polgara)といった数多くの人々と出会うことで、エランドの人生は大きく開けていく。 やがて一行がリヴァに到着すると、エランドはガリオンとともにリヴァ王の玉座に向かい、《リヴァ王の剣》の柄頭に《珠》を戻した。そして、ガリオンが剣に戻された《珠》に触れた瞬間、リヴァ王ベルガリオン(Belgarion)が誕生した。 同時に、邪神トラクが深い眠りから覚醒し始めたのを知ったベルガリオンが、しばらくして、ベルガラスやシルク(Silk)をともなってクトル・ミシュラクに旅立った。エランドはポルガラやダーニクたちに護られながら、将来の夫のために武装蜂起したトルネドラの王女セ・ネドラ(Ce'Nedra)とともに、トラクを信奉するアンガラク人国家との戦争に巻き込まれることになる。しかし、ポルガラが魔術の使いすぎで体力を消耗してしまったところへマロリー皇帝ザカーズ(Zakath)が現れ、ポルガラやセ・ネドラ、ダーニクとともにクトル・ミシュラクに連行されてしまう。 クトル・ミシュラクでゼダーと再会したエランドだったが、喜びや嬉しさといった感想はなかったようである。というのも、ゼダーはポルガラとの口論で苦渋に満ちた胸のうちを語っていたのだ。そして、ポルガラを助けようとしたダーニクがゼダーに殺されてしまう。 やがて、一足遅れてやってきたベルガラスによってゼダーは死よりも耐えがたい苦痛を味わうはめになり、ベルガリオンは《光の子》として《闇の子》トラクを倒す。やがて、息子たちとともに死んだ神トラクを迎えに来たウルに、エランドはダーニクを生き返らせるよう頼む。「父上、使命(エランド)」と。7人の神の力とベルガリオンの力、それに《珠》とエランドの力によってダーニクは生き返ったのだった。
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