出世魚とは? わかりやすく解説

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しゅっせ‐うお〔‐うを〕【出世魚】

読み方:しゅっせうお

成長するにつれて名が変わるボラではハク、スバシリ・オボコ、イナボラトド呼び名が変わる。スズキではセイゴフッコスズキブリ場合関東地方ではワカシイナダワラサブリ関西地方ではツバスハマチメジロブリ


出世魚

作者牧南恭子

収載図書秋のひかり―三冬ものがたり
出版社学習研究社
刊行年月2007.1
シリーズ名学研M文庫


出世魚

作者広坂光則

収載図書閑話百題―ショートショート集
出版社新風舎
刊行年月2007.3


出世魚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/04 13:32 UTC 版)

出世魚(しゅっせうお)とは稚魚から成魚までの成長段階において異なる名称を持つ江戸時代までは武士や学者には元服および出世などに際し改名する慣習があった。その慣習になぞらえ「成長に伴って出世するように名称が変わる魚」を出世魚と呼ぶ。「縁起が良い魚」と解釈されて門出を祝う席など祝宴の料理に好んで使われる。ブリスズキボラなどが代表的。

由来

同種の魚を異なる名称で呼ぶ理由にはいくつかあるが、大きさや外見の違い・生息域や生態の変化などがある。例えば、成長の早い魚類では、生まれた当年の魚、2年目の魚、3年目の魚…が、同じ時期に漁獲されると、それぞれ体の大きさが一回り以上異なるので、それらを大きさで明確に識別できることがある。この際、それらの用途や味など商品価値が異なる場合は同じ名称で呼ぶと混同してしまう恐れがある。逆に年齢が違うだけで同種か別種か識別が難しい場合もある。どちらの場合も漁業や流通の現場では同種か別種かを識別する必要があるとは限らないので便宜的に異なる名称で呼ぶ場合がある。

出世魚の場合、学術的な用途で通常用いられる標準和名は、その魚がいくつか持つ名称のうちの一つで成熟した時(成魚)の名称である場合が多い。それ以外の成長段階の名前では、和名を決めるといった「名前の統一化」が行われていないので、それぞれの名称は地方によって異なる場合が多い。

出世魚の代表例

ブリ

ブリは、条鰭綱[1] スズキ目 アジ科に属する魚。「ぶり はまち、元はいなだの出世魚」という川柳がある。

  • 代表的な呼び名
    • モジャコ:6〜7cmくらいまで
    • ワカシ:15cmくらいまで
    • イナダ:40cmくらい(夏に旨い)
    • ワラサ:60cmくらい
    • ブリ:90cm以上(夏は味が落ちる)
  • 関東:ワカシ → イナダ → ワラサ → ブリ
  • 関西:ツバス → ハマチ → メジロ → ブリ
  • 東北:ツベ → イナダ → アオ → ブリ
  • 下北地方:フクラギ → イナダ → ワラサ → ブリ
  • 北陸:ツバエリ → コズクラ → フクラギ → アオブリ → ハナジロ → ブリ
  • 富山県:ツバイソ → コズクラ → フクラギ → ガンド → ブリ
  • 長野県:イナダ → ハマチ → ブリ
  • 山陰:ショウジゴ → ワカナ → メジロ → ハマチ → ブリ
  • 四国・山口県・広島県:ヤズ → ハマチ → ブリ
  • 九州:ワカナゴ → ヤズ → ハマチ → メジロ → ブリ → オオウオ

スズキ

スズキは、条鰭綱 スズキ目 スズキ科に属する魚。

  • セイゴ → フッコ → スズキ → オオタロウ
  • 関西:セイゴ → ハネ → スズキ
  • 東海:セイゴ → マダカ → スズキ
    • 宮城県では小型のものを特にセッパと呼ぶ。
    • また、ヒラスズキの幼魚をヒラセイゴなどと言ったりもする(ヒラハネはあまり聞かれない)。

ボラ

ボラは、条鰭綱 ボラ目 ボラ科に属する魚。

  • 代表的な呼び名
    • オボコ(スバシリ) → イナ → ボラ → トド

マイワシ

イワシは、 条鰭綱 ニシン目 ニシン科に属する魚。

  •  代表的な呼び名
    • シラス → カエリ → コバ → チュウバ → オオバ
      • シラス:白子、稚魚、1cm未満(マシラスとも)
      • カエリ:若魚、数cm(アオコ、ヒラゴとも)
      • コバ(小羽):10cm前後
      • チュウバ(中羽):15cm前後
      • オオバ(大羽):20cm前後

コノシロ

コノシロは、条鰭綱 ニシン目 ニシン科に属する魚。

  • 代表的な呼び名(関東)
    • シンコ:4 - 5センチメートル
    • コハダ:7 - 10センチメートルぐらい
    • ナカズミ:13センチメートル程度
    • コノシロ:15センチメートル以上
  • その他の地域での若魚の名前として、ツナシ(関西地方)、ハビロ(佐賀県)、ドロクイ、ジャコ(高知県)などがある。

その他

日本国外の例

  • アリストテレス:「バレロンの雑魚」
  • イギリスのサケ

出典・脚注

  1. ^ 以前は硬骨魚綱という区分が使われていた。

関連項目

外部リンク


出世魚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 01:29 UTC 版)

ブリ」の記事における「出世魚」の解説

また大きさによって呼び名が変わる出世魚でもある。日本各地での地方名併せて様々な呼び方をされる。 関東 - モジャコ稚魚)→ ワカシ35センチメートルcm〉以下)→ イナダ (35-60 cm) → ワラサ (60-80 cm) → ブリ80 cm以上) 北陸 - コゾクラ、コズクラ、ツバイソ35 cm以下)→ フクラギ (35-60 cm) → ガンド、ガンドブリ (60-80 cm) → ブリ80 cm以上) 関西 - モジャコ稚魚)→ ワカナ兵庫県瀬戸内海側)→ ツバスヤズ40 cm以下)→ ハマチ (40-60 cm) → メジロ (60-80 cm) → ブリ80 cm以上) 南四国 - モジャコ稚魚)→ ワカナゴ35 cm以下)→ ハマチ (30-40 cm) → メジロ (40-60 cm) → オオイオ (60-70 cm) → スズイナ (70-80 cm) → ブリ80 cm以上) 80 cm上のものは関東関西とも「ブリ」と呼ぶ。または80 cm以下でも8キログラム (kg) 以上(関西では6 kg以上)のものをブリと呼ぶ場合もある。和歌山県関西圏だが関東名で呼ぶことが多い。流通過程では、大きさ関わらず養殖ものハマチ天然ものブリ呼んで区別する場合もある。 「ハマチ」の漢字に「」が、「ワカシ」の漢字に「夏(魚偏に夏、+夏)」が使われる地域別呼び名一覧-稚魚10 cm未満20 cm未満30 cm未満40 cm未満60 cm未満70 cm未満80 cm未満80 cm上関ワカシ ワカシ・イナダ イナダ ワラサ ワラサ ブリ 関西 ワカナ ワカナツバス ツバス ハマチ メジロ メジロ ブリ 北陸 ツバスツバイソ ツバス コズクラ、コゾクラ ハマチ フクラギ ガンド、ガンドブリ ブリ ブリ 三陸 コズクラ、ショッコ フクラギ、フクラゲ アオブリ ハナジロ ガンド ブリ ブリ 和歌山県 ワカナゴ ツバスイナダイナラ ハマチ メジロ ブリ オオイオ ブリ 京都府 モジャコ アオコ ツバス ツバス ハマチ マルゴ マルゴ ブリ 島根県 モジャッコ ショウジンゴ(ツバスワカナハマチヤズメジ マルゴ ブリ ブリ 香川県 モジャコ ツバス ハマチ メジロ ブリ ブリ 高知県 モジャッコ モジャコワカナゴ ハマチ メジロ オオイオ スズイナ ブリ 九州北部 ワカナゴヤズ ハマチ メジロ ブリ ブリ

※この「出世魚」の解説は、「ブリ」の解説の一部です。
「出世魚」を含む「ブリ」の記事については、「ブリ」の概要を参照ください。

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