ないぶ‐まさつ【内部摩擦】
内部摩擦
物質に対して外部から加えられた変形エネルギーの一部が熱エネルギーに変化する現象をいう。外部の抵抗をすべて取り去った理想弾性体を振動させたとき、その振動は永遠に振動を続けるはずであるが、実在の団体物質では振動はしだいに減衰する。これは振動のエネルギーが物質内部で熱に変換しエネルギーを減衰していくからである。この熱エネルギーへの変換の原因となるものを内部摩擦といい、物質構造にきわめて敏感に反応する性質があり、これを測定することによって物質内部の構造やその変化を知ることができる。このような内部摩擦を生じさせる原因として、転位、変態、粒界、軟化などがあげられる。
内部摩擦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 01:23 UTC 版)
物体が変形したとき、その内部でエネルギーの一部が熱に変わる現象を内部摩擦という。理想的な弾性体では応力と変形量は線形の関係にあるが、一般の物質では変形を増加させるときと減少させるときとで応力が異なる(弾性ヒステリシス(英語版))。動摩擦において、弾性平面上を接触点が滑っているとすると、その前方では接触点によって面が押し込まれて圧縮変形を受け、後方では凹んだ面が元に戻る時に接触点を前に押し出している。理想的な弾性体ではこれらの仕事はつり合うが、弾性ヒステリシスが存在すると、圧縮の際に面が受ける仕事の方が変形回復の際に放出する仕事よりも大きくなる。すなわち運動体のエネルギー損失を招く。:194-195 内部摩擦の大きさを表す量はいくつかある。強制振動を与えた時に生じる変形量と応力の間の位相遅れ(誘電損失の損失角と同様)、共振曲線におけるQ値の逆数、振動サイクルあたりのエネルギー減衰率や対数減衰率である。
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