公開的著作・対話篇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 03:33 UTC 版)
「アリストテレス」の記事における「公開的著作・対話篇」の解説
アリストテレス自身が多数の人に見せることを想定して公開した著作が多数あった。殆どが散逸してしまったが、後世に伝わっている引用や証言などの断片から、ある程度内容を知ることが出来るものもある。 『エウデモス』または『魂について』 プラトンの『パイドン』にならって書かれた対話篇である。エウデモスはアリストテレスのアカデメイアでの学友であり、彼はディオンのシュライクサイでの戦争に参加して戦死した。アリストテレスは彼を記念して“エウデモス”の名を冠した著作を書き、霊魂の不滅を論じた。エウデモス没後(前357年)まもなく書かれたものと推測され、アリストテレスの著作で制作年代を唯一確定できるものである。 『哲学のすすめ』 原題“プロトレプティコス”は「勧奨」を意味する。イアンブリコスの同名の書に大部分が引用されているので、ほぼ全編を再構成することができる。一説によれば、当時アテナイにはプラトンのアカデメイアの他にイソクラテスの弁論術の学校があったが、イソクラテスはアカデメイアを批判して『アンティドーシス』を公表した。『哲学のすすめ』はそれに対する反論とも言われている。 『哲学について』 後に『自然学』や『形而上学』Λ巻で述べられているような世界の構成および絶対者についての議論が行われている。知恵(ソフィア)の意味の変遷史、霊魂と自然世界から神を探求する二つの方法、アイテール界において円運動を行い、純粋知の純粋認識を行う天体的・知性的存在である神々について、最後にアイテールが魂、知性の素材となる第五元素であることについて、四つの論点を述べる。 『グリュロス』 クセノポンの子グリュロスの為に書かれた弁論術に関する対話篇。著作の最も初期に属する。 『詩人について』 詩人についての伝記や逸話を収録したものと考えられる。『詩学』においても言及されている。 『饗宴』 あるいは「酩酊について」。プラトンの『饗宴』と同名だが内容は宴席での振る舞いなどについて語っている。 『王であることについて』 『アレクサンドロス』と同じくマケドニア王国で王子の教師として招聘された後に、アレクサンドロスのために書かれたもの。 『アレクサンドロス、あるいは植民者について』 『ソフィスト』 『ネリントス』 『恋愛論』 『富について』 『祈りについて』 『生まれのよさについて』 『快楽について』 『教育について』 『政治家』 『正義について』
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