八ッ場ダム建設に伴う線路付け替え
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 17:47 UTC 版)
「吾妻線」の記事における「八ッ場ダム建設に伴う線路付け替え」の解説
岩島駅 - 長野原草津口駅間は、八ッ場ダム(やんばダム)の建設によりダム湖(八ッ場あがつま湖)に水没するため、線路の付け替え工事が行われた。 日本一短いトンネルとして知られていた樽沢トンネル(全長7.2 m)は、水没区域外に位置しており、水没は免れるものの、新線付け替えに伴い用途廃止となった。川原湯温泉駅は温泉街と同様に西側の高台へ移転し、新たな川原湯温泉駅が設けられた。また、付け替えに伴って掘削される3トンネルのうち、岩島 - 川原湯温泉間における八ッ場トンネルの施工にあたっては日本の鉄道トンネル本坑では初の全断面TBM工法が採用された。 2009年(平成21年)に日本政府の自民党から民主党への政権交代による八ッ場ダム建設中止問題が浮上し、ダム本体建設についての予算は一旦凍結されたが、吾妻線付け替え工事およびダム周辺の道路整備に係る費用は予算計上されており、吾妻線の新線付け替えのための工事は継続して行われた(詳細は「八ッ場ダム」を参照)。 2013年(平成25年)12月18日の「八ツ場ダム水没関係5地区連合対策委員会」において、2014年(平成26年)秋に吾妻線岩島駅 - 長野原草津口駅間を新線に切り替える予定であることが報告され、2014年(平成26年)5月20日にJR東日本高崎支社が吾妻線一部付け替え工事の完了と新設線の運用開始を同年10月1日と発表した。 2014年(平成26年)9月24日をもって岩島駅 - 長野原草津口駅間の旧線での営業を終了した。この日の最終列車通過後に岩島駅 - 長野原草津口駅間の新線への切り替え工事が開始され、翌25日は中之条駅 - 大前駅間を運休して夕方まで切り替え作業が続けられた。9月26日から30日までは渋川駅 - 岩島駅間で列車を営業運転し、岩島駅 - 大前駅間を運休して新線区間で試運転と乗務員訓練を行なった。この期間(9月25日 - 30日)は中之条駅 - 大前駅間で代行バスが運行された。10月1日から新線経由で岩島駅 - 大前駅間の営業運転を再開。岩島駅 - 長野原草津口駅間の営業キロが新線への切り替えに伴い0.3 km短縮され、吾妻線全線の営業キロは55.3 kmとなった。 八ッ場ダム建設による線路付け替えに伴う新線(左奥)と旧線との分岐部分(岩島 - 川原湯温泉間) 建設中の川原湯温泉駅新駅舎 建設中の川原湯温泉駅新ホーム
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