先読みと形勢判断
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 03:17 UTC 版)
将棋の形勢とは、駒の損得や囲いや駒の働きなどを総合した有利不利の差。形勢をさす語は次のように数多く存在しており、同じ程度の形勢をさす語でもニュアンスが異なる。形勢の悪いほうから、 「必敗/投了級」 「敗勢/ほぼ負け/終わっている」 「劣勢/厳しい/非常に苦しい」 「不利/苦戦/悪い」 「不満/指しにくい/つまらない/やや悪い」 「互角/五分/難解/これから」 「指しやすい/指せる/持ちたい/先手乗り、後手乗り/やや良し」 「有利/十分/良し」 「優勢/満足」 「勝勢/ほぼ勝ち」 「必勝」 となる。この他に「形勢不明」というのもある。 コンピュータ将棋では、形勢判断は評価値(形勢値)と呼ばれる数値で表す。それには得点方式とパーセンテージ方式があり、概ね次のような目安となる。 評価値(形勢値)の目安形勢得点方式パーセンテージ方式完全に互角0点 50% ほぼ互角絶対値300点以内 45-55% 指しやすい(指しにくい)絶対値300-500点 55-60%(45-40%) 有利(不利)絶対値500-1000点 60-75%(40-25%) 優勢(劣勢)絶対値1000-2000点 75-90%(25-10%) 勝勢(敗勢)絶対値2000点以上 90%以上(10%以下) 事実上勝敗が決している状態・絶対値「∞」・絶対値が表現できる最大値(例えば「9999」「50000」「99999」など)・「Mate:XX」(XXは完全に詰むまでの手数)・即詰み「99999」、必至等「50000」 99%(1%) その他特殊な場合・「-1」(千日手が最善と判断した場合。一部ソフトでの例)・絶対値「31111」(やねうら王における優等局面) 序盤・中盤・終盤を問わず、指し手を決める際の基本は先読みと形勢判断である。まず、自分がこの手を指せば相手がどのように応じるか、それに対し自分はどのように応じるか、といった具合に先を読み、最終的に自分が有利になっているかどうか形勢を判断して、その手を指すかどうかを決めるのである。 形勢判断の要素としては、一般的に 駒の損得(戦力差) 駒の効率(駒の働き) 玉形(玉の安全度) 手番(主導権) の4つが挙げられる。
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