停止液、定着液、固膜液、ハイポ駆除液、硬水軟化剤、溶媒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 09:54 UTC 版)
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塩化アンモニウム 昔から迅速定着液の主薬として使用されてきた。一般に膨張剤の一つして売られており入手しやすい。 チオ硫酸アンモニウム 迅速定着液の主薬である。チオ硫酸ナトリウム(ハイポ)よりも定着作用が強力で、定着処理時間を大幅に短くすることができる。 無水硫酸ソーダ ゼラチン層の軟化膨満を防ぐ働きを有する。かつては停止液に主に処方されており、イーストマン・コダックが公開していた停止液「SB-4」「SB-5」のレシピにも処方されていた。また前述の働きから現像液に処方される場合がある。 氷醋酸 現像停止液の主要薬品である。現像液のアルカリ性を酢酸の酸性で中和させて現像能力を停止させる。 クエン酸 酢酸に代えて現像停止薬に使用する場合がある。現像液や定着液にも使用される場合がある。 カリ明礬 硬膜化作用を有するため、定着液を調合する際に硬膜処理剤として添加する。これが添加された定着液で定着すると、感光膜が固くなり傷がつきにくくなる。ただしホルマリンほどに硬膜化作用は強くないので固膜法には使えない。 クロム明礬 カリ明礬よりも強い硬膜化作用を有し、特に感光面の長寿命化が求められる時に用いられる。ただ一般には入手が難しく、結晶体を乳鉢に入れ乳棒ですり潰さなければならないため、手間がかかり通常は使用されない。 ホルムアルデヒド(ホルマリン) 強い硬膜化作用を有している。かつて高温時において定着中もしくは定着後の水洗の際に膜面の軟化や膨満、水温との温度差による縮みなどが起こるのを防ぐ目的で、定着前に固膜液に浸漬させる固膜法(もしくは硬膜液に浸漬させる硬膜法)が行われていたが、その主成分がこのホルマリンである。またその性能を利用して硬膜化定着液に用いられることもあった。しかし現在では環境負荷などの問題やフィルム自体の性能の向上などもあり、使われることは極めて稀になっている。 オキシドール(オキシフル) 定着後に印画紙表面やゼラチン膜に浸透したハイポを駆除する目的で使用する「ハイポ駆除液」の主成分。現在は「ハイポ駆除液」を含めほとんど使用されない。 ヘキサメタ燐酸ナトリウム(英語版) 現像液などを調合する際に、溶媒となる水に含まれるカルシウムイオンが原因で白濁することがあり、それを防ぐ目的で使用する。また水洗促進剤に微量(1リットルあたり0.5グラム)ではあるが処方される場合がある。 イソプロパノール 現像主薬をよく溶解させる目的で用いる。
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