信憑性の議論とは? わかりやすく解説

信憑性の議論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 13:55 UTC 版)

オシアン」の記事における「信憑性の議論」の解説

マクファーソン#『オシアン』」も参照 マクファーソン主張対し文学的政治的理由からただちに論争起こったマクファーソン素材スコットランド起源のものだと主張したが、アイルランドの歴史家たちは自分たちの伝承アイルランド神話)が剽窃されていると感じ反論した。もっともスコットランドアイルランドも、その詩の舞台となった時代にはゲール文化共有していて、両国共通するフェニアン物語群Fenian Cycle)のいくつかスコットランド作られていた。 イングランド作家評論家伝記作家サミュエル・ジョンソンマクファーソンを「イカサマ師で、嘘つきで、詐欺師で、彼の作品贋作だ」と確信したうえ、オシアン駄作断言した。「では、ジョンソン博士あなたは今日このような詩をどんな人でも書くことができたと本当に思っておられるんですか?」と尋ねられた時、ジョンソンが「そうだとも。多く男性多く女性多くの子供たちだって書けるさ」と答えたのは有名であるが、当の自身ゲール語もできず、ハイランド文化に関する知識持っていなかった。 このような論争直面したハイランド協会Highland Society)はマクファーソン主張の真偽調査した。これにより、「Oided mac n-Uisnig」の物語記したいわゆるグレンマサン手稿(Glenmasan manuscript,Adv. 72.2.23)が発見された。 このテキストアイルランドの「Longes mac n-Uislenn」という物語変種一つであり、多くの面で著し差異があるもののマクファーソンの『ダルスーラ』(Darthula)と比較できる物語提供している。ドナルド・スミスは委員会へのレポートでこれを引用したオシアン資料アイルランドのものか、イングランドのものか、あるいはジョンソン結論づけたようにマクファーソン自分作品ゲール語断片織り込ませたものか、それともマクファーソン言う通りスコットランド・ゲール語口承写本基づいているのかについて、論争19世紀最高潮達したスコットランド著作家ヒュー・ブレア(Hugh Blair)の『オシアン詩の批評的論述(A Critical Dissertation on the Poems of Ossian)』はジョンソン痛烈な批判に対して作品信憑性支持するもので、1765年以降作品信憑性付する目的で「オシアン」の全版に含まれるようになった1952年、デリック・トムソン(Derick Thomson)は、マクファーソンスコットランド・ゲール語バラッド収集していたことを突き止めマクファーソン口承残っていたものを、数々写本照合させて書いたかも知れないが、オリジナルの登場人物アイディアによって脚色し相当量自分作ったものを入れ込んだではないか述べた

※この「信憑性の議論」の解説は、「オシアン」の解説の一部です。
「信憑性の議論」を含む「オシアン」の記事については、「オシアン」の概要を参照ください。

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