信仰諸相
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 16:40 UTC 版)
神火の導き 船が難破しそうになった時に焼火権現に祈念すると、海中より3筋の神火が現れ、その中央の光に向かえば無事に港に着けるという。 日の入りのお灯明行事 北前船の船乗りに伝承された船中儀礼で、航海安全などを祈るために焼火権現へ灯火を捧げる神事。「カシキ」と呼ばれる13歳から15、6歳の最年少の乗組員が担当し、日の入りの時刻になると船尾で炊きたての飯を焼火権現に供え、「オドーミョー(お灯明)、オキノ国タクシ権現様にたむけます」と唱えながら2尺程度の稲または麦の藁束で作った松明を時計回りに3回振り回してから海へ投げ入れ、火がすぐに消えれば雨が近く、煙がしばらく海面を這えば風が出ると占ったといい、しかもこの神事を行う船乗り達は隠岐の島への就航の経験がなく、従って「オキノ国タクシ権現様」がどこのどのような神かも知らなかったという。なお、上述広重や北斎の描いた浮世絵は北前船におけるお灯明行事の光景である。 銭守り 焼火権現から授与され、水難除けの護符として船乗りに重宝された。かつては山上に1つの壺があり、そこに2銭を投げ込んでから1銭を取って護符とする例で、増える一方である筈なのに決して溢れることはなかったという。近世には松江藩の江戸屋敷を通じて江戸でも頒布されたため、江戸の玩銭目録である『板児録』にも記載されるほど著名となり、神社所蔵の天保13年(1842年)12月の「年中御札守員数」という記録によれば、年間締めて7,900銅もの「神銭」が授与されていたという。
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