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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 10:52 UTC 版)
国の機関では、歴史的に海図作成機関が航空図も作成する場合が多い。日本では海上保安庁海洋情報部が発行している。飛行場の詳細な情報を掲載した着陸図などは国土交通省航空局が発行している。アメリカでも当初は政府沿岸測地測量局(現在のアメリカ海洋大気庁海洋業務局沿岸測量部)が航空図を発行していたが、現在は連邦航空局に移管されている。 航空という性格上、外国の情報を必要とする事も多く、国際民間航空機関が中心となって標準化により情報の共有を進めている。そのひとつが100万分の1国際航空図 (World Aeronautical Chart) である。他にもICAOは国際民間航空図が国際条約(シカゴ条約、1947年)が定める付属文書4(Annex4)で定める国際基準及び勧告方式(International Standard and Recommended Practices)によって航空図類の整備を加盟各国に求めている。ICAOが定める航空図は加盟各国の航空局が発行する航空路誌:AIP(Aeronautical Information Publication)にはWACなどの多色刷りの航空図を除いた図が閲覧できる。日本ではAIS JapanのWebサイトからAIPを登録の上、ダウンロードできる。 一方で、軍や国防省の組織が作成に関与する事も多かった。アメリカ国防総省地図局(現在の地球空間情報局)も世界統一規格と呼べる航空図シリーズを発行していた。 公益法人や民間での航空図刊行も多く、日本の日本航空機操縦士協会、アメリカのジェプセンなどがある。特にボーイングの配下にあるジェプセン社が全世界の航空情報を集約し独自に航空図を編集・出版して実際の民間の航空会社に有料で提供している(故に「ジェプセンチャート」と言えば航空図の代名詞である)。こうした民間の作成する航空図はあくまで政府の定める航空図の参考図として定められていたが、実際に民間の航空会社はJeppesenの「Air Manual」を航法上の航空図として利用しており、前述の法的に備え付けるべき書類(航空図)として認められている。概要で触れた「Air Manual」の電子化も民間分野で急速に進み、Jeppensen社のエレクトロニック・フライト・バッグ(EFB)はすでにAirbus社のA380以降の最新鋭機やボーイング社のB787、一部のB777のコックピット内で航法計器との連携の標準化が進みつつある。
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