作品中における位置付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 14:30 UTC 版)
『こち亀』の舞台初演やアニメ映画第1作『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE』の封切りなどの大きな出来事が相次いだ。これを受けて「漫画のほうでも頑張らなければ」と発起した作者が、その年のうちに新しいキャラクターを出そうと決めたことから全てが始まった。第118巻において、擬宝珠纏が超神田寿司とともに作中に登場し、以後のストーリーにおいて大きな位置を占めている。これは、作者の秋本治が当時「両津に家族がいたら面白いかもしれない」との考えに至ったためである。ただ、両津の結婚はストーリー上、不可能であり、両津の両親や兄弟もすでに登場済みでそこからストーリーを膨らますことも出来なかった。よって、それまでのストーリーとは全く違った存在が必要であったので超神田寿司を経営する擬宝珠家が登場した。擬宝珠家の家紋は笹竜胆である(第273話より)。 具体的には両津に対抗できる気の強い「纏」、両津にパパ的側面を出す「檸檬」「蜜柑」、大原大次郎とは違った母親的な怒り役「夏春都」がそれぞれ登場した。また、ギャグの中心として出発した派出所とは違った舞台として、伝統的な寿司店がいいとして、「超神田寿司」が登場した。なお、擬宝珠家と両津を親戚としたのは纏と両津が結婚しにくくするためとされる(法律上は可能である)。 第120巻から第160巻ぐらいにかけて、擬宝珠家ならびに超神田寿司の全盛期を迎えた。特に、第120巻代後半から130巻代後半にかけ、擬宝珠家および超神田寿司関係メイン(纏・檸檬など)の話が1つの巻に半数以上を占めた。その後、第159巻で夏春都にゲームソフトを捨てられそうになったことを理由に両津が超神田寿司を出ていってしまったためか、第160巻以降、超神田寿司の登場頻度が減りつつあるが、数話に一度程度の登場は続いている。また、磯鷲早矢や御堂春など別のキャラクターや下町をテーマにした話に関係する形でも登場している。 第200巻が発売した時点での40代を迎えた読者(もしくは1999年以前からのオールドファン)にはなじみが薄く、彼らは擬宝珠家の登場でこち亀が駄目になったと言う否定的な評価をしている。作者曰く「そう言った読者は社会人となってこち亀を卒業しているだろう」と考えたという。
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