作中の表現について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/03 03:01 UTC 版)
「ドリトル先生アフリカゆき」の記事における「作中の表現について」の解説
作中において黒人であるバンポ王子が童話『眠り姫』に登場する王子のような白い肌に憧れ、ポリネシアが演じるバラの妖精・トリプシュティンカの導きで父王に捕まって投獄された先生に協力を求め、先生の調合した薬品で顔だけを脱色して白くする場面を始めステレオタイプ的な黒人描写が多用されており、人種差別を助長するのではないかとの批判が1970年代より米国を中心に為されている。こうした批判を受けて米国では長らくシリーズの大半が絶版となっていたが、1986年のロフティング生誕100周年を機に遺族からの了承を得て1988年より復刊へ向けた改訂作業が進められ、本作も1997年に改訂版として復刊された。この改訂版では該当箇所を「ポリネシアがバンポに催眠術をかけた」、或いは「バンポはライオンの勇猛さに憧れており、ライオンのようなたてがみを欲していたので先生が育毛剤を調合して髪を伸ばす」と言う内容に改変している。 日本語版に関しては2001年に岩波書店が黒人差別をなくす会より差別表現が頻出するとして回収を要求されたが、岩波書店はこの要求に対して回収を行わず「不適切」とされた単語の部分修正で対応すると共に、原作が発表された時代背景などに関する編集部の考え方について巻末で説明し、読者に理解を求めている。2000年代後半に本作が日本でパブリックドメインとなって以降に各社より刊行された新訳についても岩波書店とほぼ同じ対応を取っているものが多いが、中にはポプラポケット文庫版のように米国で1997年以降に刊行されている改訂版を底本とした事例も見られる。
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