伏波神祠詩巻とは? わかりやすく解説

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伏波神祠詩巻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 14:27 UTC 版)

伏波神祠詩巻(ふくはしんし しかん)は、中国北宋時代の書家詩人である黄庭堅で、黄庭堅の晩年の傑作として著名である。真跡は現在、東京永青文庫に収蔵され、重要文化財に指定されている。


  1. ^ 自跋(じばつ)とは、自身で書いた題跋のこと。
  2. ^ a b c d 飯島(辞典) PP..239-240
  3. ^ 西川(辞典) P.110
  4. ^ 中西(辞典) P.851
  5. ^ a b c d e f g h i j 中田(書論集) PP..213-216
  6. ^ a b c d e 杉村 巻末解説
  7. ^ a b c 藤原 PP..222-225
  8. ^ 鳥居 P.33
  9. ^ 山谷(さんこく)は、黄庭堅の
  10. ^ a b 石川(書とは…) PP..46-51
  11. ^ a b 壷頭(ことう)は、湖南省沅陵県の東北520kmにある。こことは別に同じく湖南省に壷頭山があり、『寰宇記』(かんうき、書名。193巻。宋・楽史撰)には馬援が卒したところとあるがこれは誤りで、馬援は壷頭で卒した(藤原 P.223、大漢和辞典)。
  12. ^ 新息侯(しんそくこう)とは、封号のこと。馬援の他に、後漢の朱浮が封ぜられた(大漢和辞典)。
  13. ^ 経(へ)るは、経過のことだが、ここでは参詣の意(杉村 巻末解説)。
  14. ^ 蒙蒙(もうもう)は、盛んな姿の形容で、この場合は竹林の盛んに茂っているさまで、その中に祠がある(杉村 巻末解説、藤原 P.223)。
  15. ^ 篁竹(こうちく)は、竹林のこと。
  16. ^ 漢塁(かんるい)は、漢のときに馬援が敵に備えた塁(とりで)(杉村 巻末解説、藤原 P.223)。
  17. ^ 麏鼯(きんご)の麏は鹿の一種、鼯はムササビのこと(杉村 巻末解説、藤原 P.223)。
  18. ^ 漢塁が荒廃して、鹿やムササビなどの遊び場となっていることの意(藤原 P.223)。
  19. ^ 蛮渓(ばんけい)は、蛮族がたてこもった渓谷のこと(藤原 P.223)。
  20. ^ 遺像(いぞう)は、神社にある伏波将軍の肖像のこと(藤原 P.223)。
  21. ^ 閲世指東流は、歳月が経過し、世の移り変わりを思うこと。閲世は、長い期間の意。指東流は、流れは昼夜を休まず東に向かうこと(杉村 巻末解説、藤原 P.223)。
  22. ^ 略は、知略のこと(杉村 巻末解説、藤原 P.223)。
  23. ^ 安知恩沢侯は、馬援が光武帝の恩沢によって新息侯に封ぜられたこと(杉村 巻末解説、藤原 PP..223-224)。
  24. ^ 郷園辞石柱は、伏波将軍が安南を征した功により、郷里に表彰されたが、それを辞して、更にまた蛮族の討伐に向かったこと。石柱は、豪華な邸宅のたとえ(杉村 巻末解説、藤原 PP..223-224)。
  25. ^ 筋力尽炎洲は、炎熱の地に伏波将軍は卒したの意。炎洲(えんしゅう)は、南方暑熱の地・安南のこと(杉村 巻末解説、藤原 P.224)。
  26. ^ 馬少游(ば しょうゆう)は、馬援の従弟で、功名に淡白な賢人であった(杉村 巻末解説、藤原 P.224)。
  27. ^ 師は姓、洙は名。済道(せいどう)は師洙(ししゅ)の(杉村 巻末解説、藤原 P.225)。
  28. ^ 瓜葛(かかつ)は、瓜とつるの関係で、親戚のこと(杉村 巻末解説、藤原 P.225)。
  29. ^ 舟済(しゅうさい)は、舟で川を渡る意から、ここでは助け合うという意となる(杉村 巻末解説)。
  30. ^ 癰瘍(ようよう)は、腫物のこと。
  31. ^ 墨瀋(ぼくしん)は、磨墨液のこと(杉村 巻末解説、藤原 P.225)。
  32. ^ 淮南(わいなん)は地名。ここでは今の安徽省安慶市を指す(杉村 巻末解説、藤原 P.225)。
  33. ^ 故旧(こきゅう)は、昔の友人たちをいう(杉村 巻末解説)。
  34. ^ 魯直(ろちょく)は、黄庭堅の
  35. ^ a b 当時の荊州の洪水の様子。
  36. ^ 須髪(すうはつ)は、鬚や頭髪のこと(藤原 P.225)。
  37. ^ 華夏(かか、字は中甫)は、文徴明の友人で、大蒐集家(杉村 巻末解説)。
  38. ^ 西林 P.77
  39. ^ 中西(辞典) P.851
  40. ^ 韻(いん)とは、音の調子の和することをいう(『字統』)。現代中国の書論には、「韻」を「節奏」と訳しているものがあり、「韻」とはほぼリズムのことといってよい。西田幾多郎は、書を「全く自由なる生命のリズムの発現」という。これは気韻生動を想起させる(森(書法用語詳解) P.53)。
  41. ^ 『評書帖』の原文
  42. ^ 『鈍吟書要』の原文
  43. ^ 中田(書論集) P.367
  44. ^ 逸気(いつき)とは、魏晋の人の高い心がそのままにあらわれた濁らぬ美しさのこと(中田(書論集) P.216)。
  45. ^ a b c d e f g h i j 『山谷題跋』の原文
  46. ^ a b c 杭迫 PP..26-27
  47. ^ 鬱々芊々(うつうつせんせん)とは、樹木のこんもりと茂っているさまをいう。鬱々・芊々ともにその意がある。原文は鬱郁(うついく)芊芊であるが、鬱郁と鬱鬱ともに盛んであるさまという意味で一致している。鬱鬱芊芊の用例が『列子』力命篇にあるので鬱鬱とした(『大漢和辞典』)。
  48. ^ a b c d 大野 PP..7-10
  49. ^ a b 松宮 PP.147-148
  50. ^ 松宮 P.149
  51. ^ a b 石川(書家101) PP..48-49
  52. ^ 蘇軾は『東坡題跋』の「跋懐素帖」(『東坡題跋』の原文)で周越の書を用筆・意趣ともに劣悪と記している(高畑 P.48)。
  53. ^ a b 沈着痛快とは、落ち着いた中に力強い気象が包み隠された筆意をいう(中田(書論集) P.214、中国の書論#品性法を参照)。
  54. ^ a b 中田(伏波…)
  55. ^ 双鉤回腕の回腕は回腕法のことではなく、双鉤回腕で双鉤法という一般の執筆法を指す。回腕とは、回の字の「回転するもの」という義からすると、古くは「筆を腕の働きによってめぐらす。」という意味であったと考えられる(森(書法用語詳解) PP..220-221)。
  56. ^ 掌虚指実(しょうきょしじつ、指実掌虚・虚掌実指とも)とは、筆を自由にしかも確実に働かせるための方法であり、掌は広くあけ、力を入れず、空虚にすること(掌虚)、指は五指をつめて、指先だけに力をこめ、充実させること(指実)である。また、掌虚ができていなければ指実ができるはずがなく、また指実が本当にできていれば自然と掌虚になるという関係にある(森(用筆の基本技法) PP..16-17、書の技法用語100 P.50、杭迫 PP..26-27)。
  57. ^ 無名指(むめいし)とは、薬指のこと。
  58. ^ 森(用筆の基本技法) P.90
  59. ^ 魚住和晃は、「黄庭堅の筆の動きは確かに櫓の動きとイメージの通ずるものがあるが、これはあくまでも後人が作った伝説。」としている(魚住 P.38)。
  60. ^ 石川(書とは…) P.38
  61. ^ 石川(書く) P.121
  62. ^ 石川(書く) PP..125-126
  63. ^ 魚住 P.39
  64. ^ 比田井 PP..177-178
  65. ^ 谷村 P.23


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