伊勢貞親教訓とは? わかりやすく解説

伊勢貞親教訓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 09:01 UTC 版)

伊勢貞親」の記事における「伊勢貞親教訓」の解説

伊勢貞親教訓(いせさだちかきょうくん)は、室町時代後期伊勢貞親嫡男貞宗に対して著した教訓状である。全38条の本文及び執筆意図について記した覚書末文和歌1首)により構成されている)。 執筆年代については諸説あるが、貞宗元服控えた長禄年間とする説が有力である。伊勢氏代々武家故実伝承するとともに足利将軍家嫡男養育にあたり、また自身足利義政養育尽した経験から、武家教育において重要視すべき点を説いて将来貞宗期待されるであろう役割対す自覚促したのである。『為愚息教訓一札』と命名しているように、貞親が説いている事は伊勢氏当主として必要であると思われた事を記した家訓であり、流布目的書かれたものではないが、武家、特に大名家後継者教育重要視されるべき点について体系的に論じられている。貞親が「“大名教育学”の祖」とされる所以である。 貞親は大きく分けて次の4つの点を重要視している。 神仏にたいする崇敬の念を怠らないこと。 政務においてあるいは一族郎党率い棟梁として上下主従の礼を厳守させること。同時に従者としての礼を守り忠義に尽くす者に対して恩賞与えるなどの配慮欠かさないこと。 武家として身に付けるべき教養として真っ先に「弓馬」を挙げて日々怠るとがないことを説き続いて学問必要性説く(ただし、「弓馬」ほどは強調しない)。芸能は(良くも悪くも人目につかない程度で十分としている。これに対して犬追物は「越度(=度を越した)なき」とし、猿楽は「よきほどに可斗」として深入り戒めている。 最後に平生礼儀を守ることの重要性説く。特に伊勢氏政所執事武家故実宗家であり、日常的な部分より礼儀作法重んじることは一族郎党対す棟梁権威守り幕府内部においての地位を保つために重要であることとする。特に来客に対して不愉快にさせないことは、政治的な味方1人でも多く得る(逆に考えれば敵対者を生み出さない上でも必要であるとしている。 以上の神仏への崇敬」「公私における主従関係徹底」「武芸重視した教養習得」「日常からの礼儀作法厳守」という4点は、伊勢氏限らず武家一般基本的なあり方について論じている部分多く鎌倉幕府北条重時による『北条重時家訓』と並んで後世影響与えた

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