代替となる選択肢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 19:49 UTC 版)
「Transmission Control Protocol」の記事における「代替となる選択肢」の解説
TCPの使用で明らかになった主要な問題は、ヘッドオブラインブロッキングとマルチホーミングの欠如により、コールシグナリングに許容できない遅延の発生である。さらに、TCPの多くの用途は適切とはいえない。(少なくとも通常の実装での)最大の問題は、喪失パケットの再送を受信してからでないと受信済みの後続のパケットをアプリケーションで利用できない点である。特にストリーミング、オンラインゲーム、VoIPなどのリアルタイム型アプリケーションで重要な問題であり、データの順序性よりも適時性が重要である。 歴史的・性能的理由により、ストレージエリアネットワーク (SAN) はTCP/IPよりもファイバーチャネルプロトコルを採用することが多い。 組み込みシステムでも、ネットワークブートや多数のクライアントからの簡単な要求を受け付けるサーバ(例えばDNSサーバ)でTCPの複雑さが問題となる可能性がある。さらには、STUNなどの NAT traversal 技法では相対的に複雑なTCPを使わずに、遥かに単純な方法で実現している。 一般にTCPが適さない場合は User Datagram Protocol (UDP) を使用する。UDPはTCPと同様にアプリケーション多重化とチェックサム機構を提供するが、ストリームの構築や再送を行わず、アプリケーションにそういった機能の実装を任せている。 SCTPは、TCPとよく似たストリーム指向のサービスを提供するプロトコルである。TCPより新しくさらに複雑であり、広く普及したとは言い難い。しかし、信頼性とリアルタイム性を同時に必要とする用途を意図して設計されている。 TCPは広帯域環境でも問題を抱えている。TCP輻輳回避アルゴリズム(英語版)は、送信者が事前にわからない場当たり的な環境ではうまく機能するが、通信パターンが予測可能な環境では Asynchronous Transfer Mode (ATM) のようなタイミングに基づくプロトコルの方がオーバーヘッドが小さく、うまく機能する。
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